電子黒板とデジタル教科書、未来の授業はどうなる?
紙の教科書は必要なくなる?
今の日本の学校では、紙の教科書を使うことがほとんどです。「それが普通」と、あなたは思うかもしれませんが、最近ではデジタル教科書が登場しています。そして電子黒板も少しずつですが、学校現場で取り入れられはじめています。このような情報通信機器(ICT)は高価なものなので、導入のスピードはゆっくりですが、国の方針として、各教室の電子黒板の設置、生徒ひとりに対し、1台のタブレット端末とデジタル教科書の導入が検討されています。
授業でICT機器を活用するメリット
電子黒板の利点は、情報を大きく映せることです。例えばデジタル教科書を映し出し、重要なところにアンダーラインを引いたり、印を付けたりと生徒たちにわかりやすく、伝えることができます。そうすると説明に時間が長くかからないので、ほかの大切な説明に時間を使えます。また、デジタル教科書では、動画のページもあるので、実技系の科目にも力を発揮するでしょう。付箋(ふせん)が貼れるので、「ここはどうなるでしょう?」と、答えの部分をはがし、後で見せることまでできます。さらに、先生が一方的に話す授業ではなく、生徒がタブレット端末を使えば参加型の授業も可能になります。
これからの教育のあり方
ICTを取り入れた授業というと、すべてがこれに取って替わるようなイメージがありますが、そういうわけではありません。今までのように紙の教科書とノートを使った方がよい学習内容もあります。また、普通の授業でもそうですが、ICTを活用した授業でも飽きてしまうこともありますし、生徒のタブレット端末がインターネットにつながっている場合の対処も必要です。こうしたICT機器をどういう授業で使うのか、デジタル教科書を開いたときにどんな説明をすれば生徒たちが理解しやすいのかということも重要になってきます。これからの学校現場では、情報通信機器(ICT)などの技術を上手に取り入れ、どうすれば楽しい授業を行えるのかという研究も必要になるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
兵庫教育大学 学校教育学部 教授 永田 智子 先生
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