学習のモチベーションを高める電子教科書
マルチメディア機能が学ぶことを楽しくする
電子書籍が注目されていますが、教育の分野でも「電子教科書」が提案されています。これは単に、教科書が紙から電子端末に置き換わったというのではなく、電子端末ならではのマルチメディア機能が搭載されると考えられています。例えば、音楽の教科書では実際に楽器がなくても楽器の音を鳴らすことができますし、化学の教科書では実験の動画を見ることができるのです。活字の説明に頼っていた教科書に、多様な表現力によって、新たな驚きや感動を盛り込むことができるわけです。また、コンテンツ(内容)は、インターネットを介して常に最新のものに更新することも考えられますので、いつも新しい情報を利用することができます。
時間のかかる作業を先生の代わりに行ってくれる
電子教科書が生徒の行動を先生の代わりに把握してくれる機能も考えられます。例えば、数学の問題を生徒が解く場合、電子教科書上の問題を解答すれば自動的に採点をし、間違った解答を抽出して途中式を確認することで、どこでつまずいているか、どの問に時間がかかっているかなどを把握することができます。先生はその結果を見て、生徒の理解度に応じた、きめ細かな指導を行うことに集中できるのです。
双方向の情報交換で、理想の講義に近づける
高校の授業は生徒の数は40名程度ですが、大学だと数百人規模の講義があります。生徒・学生のことを先生が把握しようとすれば少ないほうが理想的です。情報通信技術を利用するとその多くの人々を『個』として把握することが可能になるのです。電子教科書も上記のように個を把握する機能が実装されるでしょう。通常の授業・講義では主に先生から生徒・学生に情報が一方的に送られますが、電子教科書であれば双方向の情報交換が可能になります。簡単な例だとテレビのクイズ番組で回答者の回答が瞬時にモニタなどに表示されるものなどを思い浮かべれば近いです。個を把握できる理想の講義が可能になるかもしれません。
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佐賀大学 経済学部 経営学科 教授 羽石 寛志 先生
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