講義No.05576 法学 社会学

生活騒音に困ったらどうする?

生活騒音に困ったらどうする?

生活騒音ってなに?

日本では、これまで、工場を主な汚染源とする産業公害が公害問題の主流を占めてきましたが、最近では、一般家庭などを発生源とする生活公害が増加しています。生活公害の中でも、特に、身近で紛争の原因となりやすいのが、生活騒音をめぐる問題です。
生活騒音とは、一般家庭の日常生活にともなって発生する騒音であり、話し声や騒ぎ声といった人の行為によるもの、ピアノやテレビといった音響機器によるもの、冷暖房室外機や洗濯機といった家庭用設備機器によるものなど、その原因はさまざまです。

生活騒音は規制になじみにくい?

生活騒音を法律や条例で規制することについては、日常生活に制限を加えることになり、一律的な規制にはなじみにくいとされてきました。法律を例に挙げてみると、日本には、騒音を規制するための法律として、騒音規制法があります。しかし、騒音規制法は、工場騒音、建設作業騒音および自動車騒音をその対象としており、生活騒音をその対象とはしていません。

生活騒音を解決するためには?

生活騒音を法律や条例で規制することがむずかしいということになると、問題の解決は当事者の話し合いに委ねられることになります。しかし、当事者だけでは話し合いがこじれるのではないかという不安もあります。
そこで注目されるのが、行政機関による環境紛争処理です。環境紛争は、伝統的に裁判により処理されるのが一般ですが、最近では、裁判以外のさまざまな紛争処理方法が活用されています。これらをADR(代替的・裁判外紛争解決手続)と呼んでおり、環境紛争に係るADRの一つとして、行政機関による環境紛争処理があるのです。生活騒音については、環境紛争の行政処理機関の一つである都道府県公害審査会に調停の申請を行い、解決を図るのが有効です。調停では、調停委員会が当事者の話し合いを積極的にリードし、双方のゆずり合いに基づく合意によって紛争の解決を図ります。

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甲南大学 法学部 法学科 教授 岡森 識晃 先生

甲南大学 法学部 法学科 教授 岡森 識晃 先生

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法学、行政法、環境法

メッセージ

大学で法学を学ぼうと考えているあなたに、ぜひ高校生のうちに準備してもらいたいことがあります。法学では判決や条文などの文章をたくさん読むので、国語をしっかり勉強して国語力を強化しておくとよいでしょう。また、日本の法は明治維新以降、諸外国の法にならって作られたので、歴史を勉強しておけば役立つことがたくさんあります。どれもあなたが今すぐできる身近な勉強です。法学を学ぶためには、日頃の基本的な勉強が大事です。しっかり基礎を固めて、大学での学びに備えてください。

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国際都市・神戸に位置する本学では、建学の理念「人物教育の率先」を教育の原点とし、ミディアムサイズの総合大学だから実現できる、学部を越えた融合型教育で優れた人材育成を実践しています。現在、岡本(神戸市東灘区)・西宮(西宮市)・ポートアイランド(神戸市中央区)に3つのキャンパスがあり、8学部14学科の多彩な学びを展開。また、全学部の学生がグローバル教育を受けられる融合型グローバル教育や共通教育科目の充実により、異なる学部の学生同士が自然につどい、刺激し合い、融合する学びのフィールドが実感できます。