講義No.05658 教育 児童学

子どもの主体性を尊重した保育のすすめ

子どもの主体性を尊重した保育のすすめ

子どもは日常から多くを学んでいる

幼児は毎日見たり聞いたりする、お父さんやお母さんの行動や会話から、少しずつ言葉を覚えていくように、「1」とはどんな数の大きさなのか、「1」と「2」ではどちらが大きいのか、といった数についての概念も、身の回りの出来事から学び取っています。幼稚園や保育園では友だちとの遊びを通して、「数えたり」「分けたり」「比べたり」することを身につけていきます。

大人の概念に当てはめないことが大切

3個の積木と2枚のお皿を渡して、「積木を分けてみよう」と子どもに問いかけます。お皿の上に2個と1個を乗せて分ける子どももいれば、1個ずつお皿に乗せてから「1個余った」という子どももいます。中には、お皿の上にそれぞれ1個、残った1個はお皿とお皿の間に置いて得意そうにこちらの様子を伺う子どももいます。大人の予想を超えた大胆な発想に驚かされますが、ちゃんと積木を分けているのでどれも間違いではありません。結果が予想と異なるからといって、それを指摘することは、単に大人の概念を当てはめようとしているだけのことです。子どもの自由な発想を保育者が理解し認めることが、幼児期の教育にはとても重要なのです。

幼児期にふさわしい「学び」とは?

多様な世界観を持つ幼児期の子どもは、興味を持つ対象も異なります。物を並べたり、数を数えたりすることが好きな子どももいれば、「5」という数字にこだわる子どももいます。実に多様な方法で自分を表現します。幼児期からの塾通いなど、早期教育熱は高まる一方ですが、毎日の生活や遊びの中にこそ、幼児期にふさわしい「学び」があると考えます。一つだけの答えを求めさせる教育も大事かもしれませんが、その勉強は小学生になれば否応なしにしなければなりません。柔軟で個性的な発想がどんどん出てくる幼児期は、遊びながら学ぶことのできる貴重な時間です。子どもの主体性や自由な発想を尊重する保育環境が今後さらに求められていくでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

秋田大学 教育文化学部 学校教育課程 こども発達コース 教授 山名 裕子 先生

秋田大学 教育文化学部 学校教育課程 こども発達コース 教授 山名 裕子 先生

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幼児教育・保育、幼児心理学、発達心理学

メッセージ

自分の価値観をしっかり持って物事に向き合うことは大切なことです。しかし世の中にはいろいろな見方や考え方があって、自分の価値観だけをものさしに判断することなどできません。それは子どもに対しても同じです。3~6歳の、いわゆる幼児期の子どもたちは特に、大人とは比べものにならないくらい発想が豊かで自由です。そんな子どもに自分の価値観を押し付けてしまっては、未知数の成長を妨げてしまうことになりかねません。多様な意見を理解し認め合う、柔軟な大人になってください。

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地球を舞台に活躍する資源スペシャリストを養成する「国際資源学部」、教育分野や地域社会における現場実践力を養う「教育文化学部」、地域医療の核となり人々の健康と福祉に貢献する「医学部」、独創的な発想と技術力を育む「理工学部」の四学部が連携し、地域に根ざし世界に発信する教育・研究拠点をめざしています。
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