目に見えない環境問題「土壌汚染」って?

どのようにして土壌が汚染されるのか
環境問題と言えば、何を思い浮かべますか? 地球温暖化や大気汚染、森林破壊など、さまざまな問題がありますが、私たちの生活に影響を与える問題のひとつに「土壌汚染」があります。土壌汚染とは、鉛やカドミウムといった重金属や、フッ素やヒ素など人体に影響のある有害物質が含まれた土壌のことを指します。それらはどのように発生するのでしょうか? 土壌汚染は、人間が要因を作ったことで汚染されたものと、自然に汚染されているものと、大きく2つに分けられます。人的要因では、工場やガソリンスタンドなどで有害物質を使用または貯蔵をしていて、その物質が不用意に地表に取り込まれたり、すでに汚染された土壌を盛土などに使われたりすることが主な要因になります。
土壌が非人工的に汚染されている環境
一方、非人工的に汚染されている土壌は、どのような環境に多いのでしょうか? 土壌汚染に含まれる重金属類(ヒ素やカドミウムなど)の濃度が高い傾向にあるのは、一部の海の底だった所が隆起してできた土地や、火山地帯にある温泉地などが挙げられます。例えばヒ素のような物質は、通常は土壌の中に安定して留まっているだけであれば、大きな問題とはなりません。しかし、何らかの理由で空気に触れてしまうと、水に溶け出す性質となり、地下水に浸透して汚染を拡大させてしまう可能性も出てきます。このような問題を解決するためには、有害物質の性質を正しく理解し、対応することです。
土壌に含まれる有害物質の性質を知る
土壌汚染で最も問題視されているのは、鉱山や温泉水由来の有害物質が土壌から地下水や川に流れ、例えばそれが微量であっても、食物連鎖の過程で濃縮されていってしまう現象です。対策のカギとなるのは、まず、土壌に含まれる汚染物質の性質や土壌との関係を把握することです。それを知ることで、どのような処理が除去に有効的なのかがわかり、対策に役立てることができるのです。
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