目は口ほどにものを言う! 視覚から便利な技術を生み出す

目は口ほどにものを言う! 視覚から便利な技術を生み出す

視覚から人に役立つ技術を

目の動きは、その人の心理や興味関心を示すことがわかっています。コンビニなどの陳列は人の視線の動きを検証し、よく見られる場所におすすめ商品を置いています。また、体が不自由な人が使う、目で見た部分のキーをパソコンで文字として表示し、意思疎通する機器もあります。
人の視覚や認知を科学的に解明してコンピュータ処理することで、便利な技術を開発できる余地はたくさんあります。こうした、人とコンピュータの間で情報をやりとりすることをヒューマンインタフェースといいます。

視覚でセキュリティを強化

視覚の特性から、セキュリティ強化の方法も開発されつつあります。クレジットカードなどのマイページにログインする際、セキュリティのためにゆがんだ文字が表示され、その入力を求められます。これがAIの発達によって解読される危険が生じています。しかし、そこに色の要素をプラスすると、安全性を向上できます。例えば、紫の文字を表示せずに「紫を選べ」とすると、人は限られた選択肢から紫に近いピンクの文字を選んだりします。人にはできて、AIにはできない手法でセキュリティを強化するのです。
色の認識のしくみで、著作権の保護システムもつくれます。異なる2つの色が高速で切り替わると、人は混じり合った色を認知します。パソコンで見るときは、高速に画像を入れ替えて混色させて「すかし」を見えないようにします。しかし、スクリーンショットなどをすると、「すかし」が現れるのです。

人の心理をあらわす目がカギに

また、文章を読む人の視線を計測すると、読めない漢字やわかりにくい部分に視線をとどめることがわかります。そうした視覚の特性とITなどを活用してアプリ開発すれば、近い将来、読めない漢字を見て視線をパソコンに移すだけで検索できるようになるかもしれません。
今後は、視覚からその人の心理や健康状態もわかるようになるでしょう。視覚の特性の解明が、「こうなったらいいな」という技術開発につながっていきます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

秋田大学 情報データ科学部 情報データ科学科 教授 石沢 千佳子 先生

秋田大学 情報データ科学部 情報データ科学科 教授 石沢 千佳子 先生

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知覚情報処理学、情報データ科学 

先生が目指すSDGs

メッセージ

今や情報システムやプログラムは、便利で使いやすいといった人に寄り添う開発が求められています。「こうなったらいいな」、「これがあると便利だな」と思うものを、どんどん見つけましょう。それが、未来の技術へとつながります。そのためには、いろいろな人の視点で考えてみることも大切です。スマホの使い方一つ見ても、子どもと親とでは考え方は違うでしょう。また、便利なものをつくるためには勉強も不可欠です。しっかり学んだ上で人に関心を向け、今の社会に何があればいいのか考えてみましょう。

秋田大学に関心を持ったあなたは

地球を舞台に活躍する資源スペシャリストを養成する「国際資源学部」、教育分野や地域社会における現場実践力を養う「教育文化学部」、地域医療の核となり人々の健康と福祉に貢献する「医学部」、独創的な発想と技術力を育む「理工学部」の四学部が連携し、地域に根ざし世界に発信する教育・研究拠点をめざしています。
四季の彩り豊かなキャンパスでは、日本全国そして世界各国から集った学生がそれぞれの目標に向かい、勉学や課外活動に打ち込んでいます。