世界のトップを走る、日本の歯科治療技術研究
最先端技術が反映されやすい歯科の世界
歯科では、医科よりも早く最先端技術が反映されます。例えば、虫歯治療で使われるものに、光で固まる樹脂や、セラミックと樹脂の混合物、航空機のボーイング787でも使われているような最先端材料などがあります。また、日本が最も進んでいる分野として歯科用接着剤があります。これは矯正に使ったり、虫歯の悪いところを削って材料を接着したりするのに使われます。こうした技術はメーカーと大学の研究室が手を携えて研究することで開発されてきました。
ガムの開発も進んでいる
目に見えないごく初期の虫歯を再石灰化させるのに、ガムをかんで唾液を出すことが有効なことは知られています。そのガムの研究も進んでいます。最初は砂糖の代わりにキシリトールを使ったガムが登場しました。その後、さらに積極的に初期虫歯を再石灰化させるために、リン酸カルシウムを入れたガムが開発されました。リン酸カルシウムは牛乳やジャガイモからとった成分が原料となります。そして現在では、フッ素を添加したガムもできています。フッ素はそのまま入れるとカルシウムと結合して効果がなくなってしまうのですが、結合しない技術が開発され、ガムへの添加が実現したのです。これは日本のメーカーが開発しました。
これからも進む歯の治療の研究
また現在は、歯ぐきの中はレントゲンを使わないと診断できませんが、レントゲンを使わない光科学で診断する技術が日本で研究されています。これが実現すれば、世界初の技術となります。
歯は、虫歯にならないまでも、長く使っていると、溶けたりすり減ったりしていきます。寿命が延びた日本において、丈夫な歯を長持ちさせることは大きなテーマです。そこで、歯の再生技術や治療法が盛んに研究されているのです。それは歯科だけでなく、工学や材料工学などさまざまな分野と融合した研究です。日本の歯科研究は世界の中でトップを走っているのです。
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