「青春の食事バランス」が、未来の健康を左右する!
若い頃の食生活が何十年後かに影響する
糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病は、中高年になってからの生活だけではなく、若い頃からの生活習慣が影響していると考えられています。年を重ねてから、急に若い頃からの食生活を変えるは難いものです。
育ち盛りの中学生・高校生の時期に、お菓子やジャンクフードばかり食べるなど乱れた食事をしていると、親元を離れたときに食生活は一層乱れたものになるでしょう。そんな食生活を続ければ、40~50歳になる頃にはさまざまな困った症状が出てきます。青年期の食生活は将来の健康につながっているのです。
「がっつり」「スリム」どちらも要注意
若い人の食生活で気になるのは、ファストフードやこってりラーメン、フライ定食などを好んで食べて、常にがっつりカロリーを摂り過ぎてしまうパターンです。一方で、「やせすぎ願望」は女子に多くみられ、過剰なダイエットで栄養不足になる傾向があります。女子のやせすぎは将来妊娠・出産する際に赤ちゃんが低体重児になるリスクもあります。赤ちゃんがお腹の中で栄養不足だと、成長してから糖尿病などの生活習慣病につながりやすいことも医学的な研究でわかってきました。
週間単位で無理なく栄養バランスを
一般的な高校生の1日の基準摂取カロリーの目安は、女子2,200kcal、男子2,750kcalです。エネルギーは主に炭水化物と脂肪、タンパク質から摂取しますが、脂肪から摂る割合が30%を超えると生活習慣病になりやすい傾向にあると言われています。ファストフードやラーメン、揚げ物などは、約40%が脂肪ですので、食べ過ぎるのは考えものなのです。食事を毎回、カロリー計算するのは簡単ではありません。ですから1週間くらいの単位で栄養バランスの帳尻が合っていればいいというふうに、栄養指導の考え方も変わってきています。油分が多い食事をとった後は、あっさりした食事にしようなどの意識を持てば、将来の生活習慣病の予防につながるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
大阪公立大学 生活科学部 食栄養学科 教授 大関 知子 先生
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