子どもの行動には必ず理由がある

子どもの行動には必ず理由がある

チーム学校とは?

小中学校では、学級崩壊が問題となっています。また通常学級にも6.5%いる発達障がいなどの子どもたちへの対応なども必要であるため、心理学の専門家が学校に入ることが珍しくなくなってきました。通常学級で問題とされるのは離席や飛び出し、暴言などのトラブルです。子ども同士の相乗作用で学級運営が不可能になるほど全体が荒れてしまう学級崩壊も少なくありません。そこで今は「チーム学校」といって、学校の先生だけでなくスクールカウンセラーなどの心理学の専門家や、病院や児童相談所など関係機関などが一丸となって問題解決するようになってきています。

行動には理由がある

子どもの問題行動や学級崩壊をどうにかしたいと思うとき、応用行動分析の手法を用いて、子どもの問題行動、その前後の状況、頻度などを観察します。何より大切なことは、子どもがなぜその行動をしているのか、行動の原因を探ることです。これは機能的アセスメントと呼ばれています。例えば何かを得たいのか、注目を求めているのか、それとも何らかの事態を回避しようとしているのかを科学的に分析し、それに応じた対応を組み立てていくのです。行動の原因がわかると、課題や先生の指示の出し方、褒め方、言葉かけなどの対応を提案することができます。ただ反応を求めて騒ぐ子どもには「あえて無視する」という場合もあります。

チームとしての取り組み

学級崩壊など学級が荒れている場合には、学級全体への心理教育として、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」を教えることもあります。低学年の子どもの場合には、暴言を「イガイガ言葉」「チクチク言葉」と名付けて紙に書いてゴミ箱に捨てさせるといったわかりやすい取り組みが有効な場合もあります。発達障がいの子どもたちに限らず、すべての子どもには人と関わりながら生きるために欠かせないスキルを教えるソーシャルスキルトレーニングなどが有効です。学級全体で教える心理教育は、学級崩壊を未然に防ぐこともできる有効な手立てです。

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先生情報 / 大学情報

神戸学院大学 心理学部 心理学科 教授 道城 裕貴 先生

神戸学院大学 心理学部 心理学科 教授 道城 裕貴 先生

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発達心理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私が心理学に興味を持ったのは、自閉症(現在は自閉スペクトラム症)について知ったことがきっかけでした。自分の中に閉じこもっているようなイメージだったのが、先天的な脳機能の違いによって見えている世界が違うということを知って衝撃を受けました。ですから「心に寄り添う」というより「心の仕組みを分析する」方法を知りたいという気持ちが常にあります。
あなたも誰かに言われたとか損得で判断するだけでなく、自分と向き合ってみて、自分がやりたいと思ったこと、楽しいと思うことに挑戦してみてください。

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