英語嫌いでもあきらめないで! スローラーナーの力を伸ばす教え方

英語嫌いでもあきらめないで! スローラーナーの力を伸ばす教え方

英語嫌いな人にどう教える?

英語が苦手、英語が嫌い、と思っている「スローラーナー(Slow Learner:自分のペースでゆったり学ぶタイプの学習者)」を対象にした教育方法の研究が行われています。大学生の基礎的な学力を育むための「リメディアル教育」の現場では、ライティングに苦手意識を持っているスローラーナーが多い傾向です。従来のライティング教育研究は英語ができる生徒を対象に行われていたため、スローラーナーに特化した教え方はまだ研究の余地があります。

ライティングが難しい理由

言語技能の中でも、ライティングは特にハードルが高いです。そもそも日本では国語教育でも論理的な文章を書く機会が少ないため、英語でいきなり書こうとしても何をどう書いたらいいかわからず、悩んでしまいます。つまり書く内容であるWHATと、書き方のHOWがライティングの最初の壁となっているのです。
ライティング能力が育ちにくい原因として、授業の内容も挙げられます。英語力を身につけるには、聞く、話す、読む、書く、の順に授業が展開されることが理想的です。しかし英語教育の現場では授業時間が足りず、書くことが後回しになっています。

HOWとWHATを身につける

リメディアル教育に参加するスローラーナーを対象にした教え方の1つとして、お手本の英文を見せてまねさせる「英借文」があります。文章の単語を入れ替えることで、HOWとWHATの双方を身につけていきます。HOWに慣れてきたら、次は3文で日記などを書きます。例えばI went to Hokkaido. I ate delicious seafood. I want to go there again.と簡単な表現で3文書くだけでも、序論・本論・結論をおさえた論理的な文章になります。WHATに悩む人に対しては、教師が一緒にアイデアを出して2人で書く内容を決めます。このようにHOWとWHATをサポートして書く機会を増やせば、スローラーナーもライティング能力を伸ばすことができるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

帝京科学大学 教育人間科学部 学校教育学科 中高英語コース 教授 馬場 千秋 先生

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メッセージ

私は英語嫌いを1人でも減らしたいと思い研究を続けています。もしあなたが学校での英語の教え方に疑問を抱いているなら、ぜひ私の授業に参加し、一緒に英語授業について考えましょう。英語が苦手な人にも伝わることを体感してもらえると思います。
英語好きな生徒を育てる教師になりたい、と思っている人も大歓迎です。また、英語に苦手意識を持っている人もいい教師になる可能性を秘めていると思います。英語が苦手な生徒の気持ちを理解できるからです。私もあなたの興味や英語力に合わせて、一緒に歩んでいくことを楽しみにしています。

先生への質問

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先進の設備が揃う千住キャンパス、自然を教材に研究できる東京西キャンパス。2つのキャンパスで、動物・自然・健康・医療・福祉・教育のキーワードをもとにいのちの尊さを学びます。
生命環境学部・医療科学部・教育人間科学部の3学部13学科を擁する総合大学として、動物介在療法やアニマルセラピー、ロボット介在教育など、本学ならではのユニークな教育・研究が進められています。