住民の声をまちづくりに反映させる「コミュニティデザイナー」
地域の課題を解決する「コミュニティデザイン」
「子どもが伸び伸びと育つ、子育てしやすいまちとは」「高齢者の孤独死をどう防ぐか」「開発が進むなか、新旧の住民のつながりをどうつくるか」「商店街をどう活性化させるか」、こうしたコミュニティが抱える課題を多くの人が話し合いながら解決することを「コミュニティデザイン」と呼びます。そして、この活動を知識や情報を提供しながらリードする専門家が「コミュニティデザイナー」です。
住民の暮らしに軸足を置いた施策を考える
コミュニティデザインで重要なのは、住民の暮らしに軸足を置き、その人たちが望ましいと思うことを実現するための道筋を描くことです。例えば、まちの活性化のために観光客を誘致するという施策の結果、観光客は増えたものの、一部の心ない観光客によって観光地周辺の農地が荒らされる、小さな路地の名店に観光客があふれて住民の生活に支障をきたすといった問題も生じています。
また、「まちの活性化」や「高齢化対策」のように、多くのまちに共通するテーマであっても、そのまちの特徴や抱える課題はそれぞれ異なるため、お仕着せのプランを描くだけでは、課題の解決にはつながりません。したがって、コミュニティデザイナーは、住民の声にしっかり耳を傾け、必要な取り組みを一緒に考え、情報提供することが求められます。
まちづくりに欠かせないコミュニティデザイナー
コミュニティデザイナーは、多くは行政などの依頼を受けて、コミュニティデザインに携わることになります。地域の人々との信頼関係を築くには時間がかかり、活動自体も数年に及ぶケースが少なくありません。残念ながら行政からは、1年単位の予算であることが多く、ひとつの活動にコミュニティデザイナーが一貫して関わることが難しいのが実情です。しかし、まちづくりの主役は地域の住民です。この出会いをきっかけにし、活動資金や組織のことも含めて、暮らしやすいまちづくりをサポートするコミュニティデザイナーの果たす役割は大きく、その重要性は高まってきています。
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