電子メディアコミュニケーションで、感情はちゃんと伝わっているか?

電子メディアコミュニケーションで、感情はちゃんと伝わっているか?

テキストが氾濫する今の社会

私たちは生活の中で、電子メールやLINE、Facebook、Twitterなどの電子メディアを使って、テキスト(文章)によるコミュニケーションを当たり前のように行っています。しかし、こうしたテキストを用いたやりとりで、私たちはお互いの感情をどのくらい正確に伝え合うことができているのでしょうか?

ポジティブな感情は伝わるけれど

日本語による電子メールでのコミュニケーションで、感情の伝達がどの程度行われているのかという調査で、興味深い結果が出ました。「喜び」などのポジティブな感情は、テキストでも比較的正確に相手に伝わるのですが、「悲しみ」や「怒り」といったネガティブな感情は、うまく伝わらない場合が多いことがわかったのです。
例えば、電子メールやLINEなどで友だちと楽しいやり取りをしているときは、お互いの気持ちが正確に伝わります。しかし、友だちとけんかをしてしまった場合は、テキストだけでは気持ちがきちんと伝わらないため、直接会って話した方がいいということになります。

傷つけたり、傷つけられたりしないために

デジタルに限らず、メディアの適切な活用方法やマナーというものは、成熟するまでにある程度の時間がかかります。電子メールのマナーは世の中でもかなり固まってきていますが、LINE、Facebook、Twitterなどをはじめとするソーシャルネットワーキングサービス(SNS)におけるマナーは、まだまだ未成熟です。いわば無免許運転に近い状態でSNSを使っている人も少なくないため、不用意に他人を傷つけてしまったり、逆に自分が傷つけられたりする事態もしばしば起こります。
これからの時代に生きる私たちは、それぞれの電子メディアがどのような特徴を持っていて、どう使うと適切なコミュニケーションが取れるか、逆に何を誤るとトラブルにつながりやすいかを、きちんと見極めてから活用していく知恵を身につける必要があるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東京女子大学 現代教養学部 心理・コミュニケーション学科 コミュニケーション専攻 教授 加藤 尚吾 先生

東京女子大学 現代教養学部 心理・コミュニケーション学科 コミュニケーション専攻 教授 加藤 尚吾 先生

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電子メディアコミュニケーション学

メッセージ

私は電子メディアに関する研究をしています。あなたもLINEやFacebook、Twitterなどを使うことがあるかと思いますが、こうしたメディアにはそれぞれに特性があります。例えばLINEなら、未読や既読でケンカになったりするかもしれません。しかし、そもそもLINEとはどういうコミュニケーションツールなのかをきちんと知ることによって、相手を傷つけたり自分が傷ついたりすることなく、快適に使えるようになります。電子メディアを使うときには、それらの特性を考えてみるといいでしょう。

先生への質問

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東京女子大学に関心を持ったあなたは

東京女子大学現代教養学部は、全学的に国際性、女性の視点、実践的学びを重視した教育を展開しています。100周年を迎えた2018年に「国際英語学科」「心理・コミュニケーション学科」を新設。また、国際社会学科に新たに「コミュニティ構想専攻」を設置しました。キリスト教精神に基づくリベラル・アーツ教育で自ら考え、知識や能力を行動へとつなげ、社会に出てからも学び続け、さまざまな問題を解決する力を身につけたリーディングウーマンを育成します。