住むだけで健康で長生きできる住宅も夢じゃない!

住むだけで健康で長生きできる住宅も夢じゃない!

1日に20kgもの空気を吸っている!

私たちが1日に摂取する食べ物は水分も含め数kgですが、呼吸で1日に吸っている空気は約20kgにもなります。ですから空気中の有害物質が健康に大きな影響をもたらすことは理解できるでしょう。一般的な日常生活においては8~9割の時間を室内で過ごすといわれていますが、室内だからといって安心はできません。カビやダニ、暖房機器から出る燃焼排ガス、住宅建材に使われる化学物質など、室内由来の有害物質もたくさんあるからです。室内の空気も健全になるよう、空気環境を浄化することはとても重要です。

見えないものを数値化し室内環境を予測する

空気中に漂う花粉や黄砂、排気ガス、またPM2.5などの微小粒子状物質、室内由来の有害物質は、目で見て量を確かめることが困難です。しかし、こうした見えない物質の発生量を測定し数値で表すことはできます。同様に、空気清浄機などの機器類がどれだけの有害物質を除去しているのかを数値化することもできます。
「出すもの」と「取るもの」を測定し、得られた数値から室内環境を予測することができれば、建築部品などの改善を提案したり、より有効な場所に空気清浄機を設置したりすることも可能になります。

室内環境を浄化する製品の理想像を示す

アレルギー症状やシックハウス症候群などの原因にもなる有害物質を取り除き、健康で快適な室内環境を作り出すことは、医学的な側面からも大きな期待が寄せられています。空気の流れや浮遊する物質などを常にモニターしながら、空気の浄化を行う装置の開発が喫緊の課題であり、室内環境についての知識を身につけた建築家の力が必要です。求められているのは、効率的に室内環境を浄化する製品(機器)について、その理想像を示すことです。
それが、社会インフラを整えるための大きな一歩にもなるでしょう。住むだけで健康になり、長生きできる家づくりが求められているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東北文化学園大学 工学部 建築環境学科 教授 野﨑 淳夫 先生

東北文化学園大学 工学部 建築環境学科 教授 野﨑 淳夫 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

建築環境工学

メッセージ

夢は大きく持ちましょう! それがやがて大きな結果につながることが往々にしてあるものです。
北里大学の大村智博士は微生物に関する地道な研究を続け、それが医薬品開発につながり、人命を救う結果をもたらしました。その貢献がノーベル生理学・医学賞という形で評価されました。そんなことも夢じゃないかもしれません。「建築環境工学」という分野は、人の役に立つ学問領域です。建築の知識をベースとして、快適な室内環境を作り出す知識を一緒に学びましょう。

先生への質問

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東北文化学園大学に関心を持ったあなたは

東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実しました。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。