みんなの命を守る!! 災害情報を「行動」につなげるメディアの活用
世界で起こる地震の1割は日本が震源地!
日本は豊かな自然に囲まれており、雪景色や温泉など、四季を通して自然の恵みを楽しむことができます。しかし、自然は時として地震や台風、豪雨や土砂災害といった形で私たちに襲いかかります。実は、世界で起こる地震の1割は日本で発生しているのです。このように、日常的に自然災害に遭遇する機会の多い日本人は、災害についての感性も発達しています。例えば、地震が起こった時に「この揺れなら震度3くらいだろう」と推測できるのは、日本人が持つ、世界でも珍しい感性です。
身を守る行動につなげるため、情報の扱い方を学ぶ
「災害大国」の日本ですが、これまでに起こった災害の経験と、日本人が持つ災害に対する感性を生かせば、「防災大国」へと変わることも可能です。防災に対する人々の意識を高める上で大切になるのが「リスクコミュニケーション」の考え方です。
リスクコミュニケーションでは、単に防災についての知識を詰め込むのではなく、災害が起こった際に人々を適切な行動に導くために、効率的に情報を伝える手法を考えます。どのメディアで何を伝えるのが適切かを考えるために、リスクコミュニケーションの授業ではさまざまなメディアの特徴や限界を学びます。
さまざまなメディアを活用して、防災に取り組む
情報を伝えるメディアはテレビや新聞だけではありません。アニメや映画、そして音楽など、あらゆるメディアが情報を伝える手段となり、それぞれに特徴があります。例えばアニメは具体的なイメージを持たせやすく、さらに実写では刺激が強すぎる情報を和らげて伝えることもできます。またSNS、例えばTwitterやLINEはリアルタイムに情報を発信できるため実際の救助活動に役立てられたこともあります。
リスクコミュニケーションは、すべての人を災害時の適切な行動へ導くことが目的となります。そのために、いかにしてメディアの情報を一人ひとりに届け、それを行動につなげられるかが課題となっているのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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関西大学 社会安全学部 安全マネジメント学科 准教授 近藤 誠司 先生
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