地域活性化の実践モデルを学んで衰退する市町村を再生させよう!
奇跡のV字回復を遂げた東川町に学ぶ
都市部を除く多くの自治体は、人口減や税収減の問題に直面しています。どこもあの手この手でアイデアを出しますが、目覚ましい回復はなかなか見られません。そんな中で注目されているのが、北海道のほぼ中央にある東川(ひがしかわ)町です。一時は過疎地にも指定されましたが、それがV字回復し、人口も税収も増加し続けています。成功に導いた理由の一つが、文化を起点とした町おこしです。写真撮影に適した景観が多いことに着目し、1985年に「写真の町宣言」を行い、写真甲子園など住民をも巻き込む取り組みで成果をあげました。
補助金の活用等による財源確保と持続可能性の追求
地域再生・地方創生をにらんでの建物の建設やイベント開催を考えるとき、必要になるのが財源です。町の債務が膨らむことは避けなければなりません。東川町では財政に詳しい人材が中心となり、補助金や交付金といった国の制度を深く研究しました。町の自主財源ではなく、積極的に国の財源を活用することで財源の確保に成功したのです。とはいえ、財源が確保でき、大型公共施設を建設したとしても、持続可能なものとするためには、その後の維持費についても考える必要があります。東川町ではこれを払拭するための計画を綿密に立てました。また収入については、全国初の公営の日本語学校の運営や留学生支援事業で年間数億円を得ており、大きな成果をあげています。
財政学や地方財政論を学ぶ意義
地域活性化や地方創生のために、様々な公共政策が打ち出されています。移住・定住や子育て支援、工業・商業施設・大学・病院などの誘致、起業支援、農業や工業、観光などの産業振興といったものがあります。GDPに占める一般政府総支出の割合が約4割を占めていることからも明らかなように政府の政策は私たちの生活やSDGsにも密接に関わり、大きなインパクトを与えます。しかし、財政学や地方財政論の制度や理論等を理解していなければ何も実行できません。ここにこれらを学び、研究する意義があるといえます。
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先生情報 / 大学情報
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 グローバルマネジメント学科 准教授 中村 稔彦 先生
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財政学、地方財政論、公共政策先生が目指すSDGs
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