モノとお金とヒトを回せ! 元気な地域の秘密
経済とは何か?
経済ではモノとお金とヒトが動いています。モノを買ったり、売ったり、お金を稼ぐためにモノを作るヒトがいるといった事象をつなぎ合わせたものが経済ということができます。京料理を例に説明しましょう。有名な京料理を食べるために、国内はもとより、海外からも旅行者が訪れることで京都のまちは元気になります。しかしそれだけではありません。京料理の職人をめざして、全国から人が集まることで、京都の経済はうまく回っていきます。また京料理の食材は京野菜といった京都特産のものもありますが、全国からも旬の食材が集められます。
情報発信はインターネットで
各産地の地域経済は、京都との結びつきによって潤いを増します。このような産地では、歴史と人の工夫によって育てられた食材が地域の強みのひとつとなっています。しかし、その食材がいつまでも地域の強みでありつづけるとは限りません。時代によって何らかの変化があるからです。
地域経済も、モノとお金とヒトをうまく回していけるように考えていかなければなりません。そのためには地域の強みを発見し、その情報を発信する必要があるのです。現代ではインターネットの発達によって全国に向かって、情報発信することは簡単になりました。しかし興味を持ってもらっても、その地域まで足を運んでもらうのは容易ではありません。
地域の強みを見つける
高知県高岡郡四万十町にはフィギュアのミュージアムがあります。交通の便がいいとは言い難い場所ですが、年間約10万人の人を集めています。四万十の地域の豊かな自然とフィギュアを一体としたコンセプトに「行ってみたい、体験してみたい」と思う人が多いからだと思われます。これが地域の強みです。興味を持たせ、体験してもらい、納得させる強みがあれば、旅行で訪れた人はリピーターとなっていきます。地域の強みを見つけて地域経済を元気にさせるのは簡単ではありませんが、工夫と努力次第ではどの地域でも可能なのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪商業大学 経済学部 経済学科 教授 西嶋 淳 先生
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地域経済学先生への質問
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