情報通信技術の力で観光のあり方が変わる!
観光客に寄り添うICTサービスの重要性
今、国内では観光産業が重視されています。これからの時代は、いかに情報を発信し活用するかという情報戦略が、観光地としての生き残りに関わってきています。そこで、情報通信技術(ICT)が役立ってきます。スマホによる店舗への送客を重視した購買行動モデルは、ARASL(アラスル)と呼ばれています。これは、「スマホによる情報認知→目的地への誘導(送客)→電子決済→情報共有→再利用」のことで、この行動モデルは観光にも適用できます。今や観光客は、プランを練る段階から旅行後までスマホを駆使する時代です。予約をしたり、クーポンを入手したり、SNSに投稿したり、電子決済したりと、身に覚えのある人も多いでしょう。
観光客を増やすことができるアプリとは
観光客が利用したICTサービスの利用状況を分析し、さらなる集客につなげることもICTの大きな役割です。具体的には、アプリなどから得られた移動パターンや客層を分析し、観光戦略の改善につなげることが可能です。例えば、美術館の展示作品前での滞在時間を分析し、素通りされがちな作品に注目が集まるよう解説アプリに工夫を加えることもできます。これは、静岡県立美術館で実証済みで、大きな成果を上げました。ほかにも、現地でしか聞けないガイド、現地でしかもらえないポイントなどを仕掛けることで、文化施設や店舗への誘導にもつなげます。時にはゲーム的要素を入れるなど、娯楽性も重要です。
観光をより便利にスマートに
これだけ発達した観光のICTですが、さらにスマートにする技術が日々、開発されています。例えば、交通系ICカードに現金だけでなく観光施設の入場チケットやクーポンをチャージできる仕組みが実現し、実証実験も行われています。このように、数年前では考えられなかったような技術が次々と誕生していくのがICTの世界です。アプリだけでなく、デジタルサイネージと呼ばれる電子看板も、観光産業の担い手として注目を集めています。
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先生情報 / 大学情報
静岡県立大学 経営情報学部 経営情報学科 教授 渡邉 貴之 先生
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