SNSの声に耳を澄ませる「ソーシャルリスニング」

SNSの声に耳を澄ませる「ソーシャルリスニング」

SNSの投稿を分析

さまざまなSNSが活発に利用され、若い世代は特に、お店や観光地を探すのにも、検索エンジンではなくSNS内の検索を使う傾向があります。それに伴い、企業や自治体などもSNSで発信するだけでなく、利用者の投稿の分析にも力を入れています。「冷凍ギョーザをフライパンで焼いたら焦げついてしまった」という投稿に、冷凍食品メーカーの公式アカウントが「原因を分析したいのでフライパンを送ってほしい」と返信して話題になったこともあります。このようにSNSの投稿から自社に関連するデータを集めて分析し、マーケティングに生かす活動は、「ソーシャルリスニング」と呼ばれます。

観光振興に役立てる

観光振興は、多くの地域の経済にとって重要なテーマです。観光振興に役立つ知見を得るためにも、ソーシャルリスニングが活用されています。SNSから観光客が発信している情報を集めて分析するために使われるのが、「テキストマイニング」という方法です。具体的には、文を単語に分割して品詞を推定します。活用や同義語の処理を行い、出現頻度などを分析するのです。
その地域と観光に関連するキーワードが含まれる投稿は観光客のものだけとは限りません。そこで、長期間ほぼ毎日投稿している人は、その地域で店を運営している人である可能性が高いといった推測に基づいて絞り込みを行います。このような操作を「データクレンジング」と呼びます。

対象分野の理解が必須

具体的に、X(旧Twitter)から下関を訪れた観光客の投稿を収集・分析した研究例があります。一定期間の投稿を分析して、出現頻度や単語の共起関係などを調べた結果、観光名所である橋の撮影スポットの整備が効果的であろうといった知見が得られました。
課題解決のためにどのようなデータを集め、どんなクレンジングを施すか。クレンジングされたデータをどう分析し、結果をどう解釈するかには、対象とする分野の理解が欠かせません。データサイエンスが文理融合分野と言われるゆえんです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

下関市立大学 データサイエンス学部 データサイエンス学科 教授(学部長) 松本 義之 先生

下関市立大学 データサイエンス学部 データサイエンス学科 教授(学部長) 松本 義之 先生

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データサイエンス、経営情報学

先生が目指すSDGs

メッセージ

日々の生活の中で、さまざまな図表やグラフなどのデータを分析した結果に出会うはずです。そのとき、「なぜ、こうなっているのだろう?」「この後、どうなっていくのだろう?」などと、疑問を持つようにしましょう。もう一歩踏み込んで、そこから何が見えるのかを考えたいと思うなら、私たちと一緒に研究しましょう。もし数学が苦手でも、尻込みする必要はありません。もちろん数学は必要ですが、入学してから学べば十分補えます。本学データサイエンス学部は、経営・経済、医療・介護分野に関心がある人全員に門戸を開いています。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

下関市立大学に関心を持ったあなたは

「未来の、ひとつ先へ。自由で開かれた学びとともに。」
創立以来、本学は経済学部の単科大学として歩んできましたが、2024年4月にデータサイエンス学部を開設し、2025年4月には看護学部(仮称)を設置構想中で、3学部を有する総合大学に大きく生まれ変わろうとしています。多様な学問分野、人との出会い。総合大学としての強みを最大限生かしつつ、これからも社会課題の解決に貢献していきます。
自由で開かれた学びを通して5年後10年後のすぐそこにある未来を支え、「ひとつ先」の明るい未来を創造しましょう!