科学によって、スポーツはもっとラクに、もっと楽しくなる!
科学の力で勝つ
60歳の一般の人と柔道3段の高校生が腕相撲をしたら、どちらが勝つかと問われれば、当然、高校生だと思うでしょう。しかし、コツさえ知っていれば60歳の人も楽々と勝てます。もちろん力任せではなく、肘(ひじ)をどの角度に曲げれば最大の力を発揮できるかを知っていれば勝てるのです。
ほかのスポーツも同じです。サッカーでボールを蹴るときの膝(ひざ)の角度、無回転ボールの蹴り方なども効果的な方法があります。さらに、ボールが曲がる秘密、ラグビーのスクリューパスの理由もすべて科学的に説明できます。
勝つ方法、上達する方法は理論的に説明できる
スポーツ指導者はよく、「アゴを引け」「腰を落とせ」などと言います。経験から言う人もいますが、正しい指導法ならスポーツ科学で説明できます。効果的な方法を理解し、相手に伝わるように指導することが、今後はますます重要になります。
そのためには、スポーツを観察、分析するように視(み)て、事象を調べ、評価するように診(み)ることです。スポーツを科学としてとらえる人こそ、プレイヤーを効果的にサポートでき、スポーツをプロデュースできます。これは個人技のみならずチームプレイにも当てはまります。例えば、サッカーチーム全体の動きや試合の流れをデータとして分析することで、チームの特徴や攻め所などが見えてきて、勝利へ導くことも可能になります。
スポーツと健康、学力との関係
また、脳の血流量などを測定することで、スポーツが体に与える影響もわかりつつあります。運動をしている人は骨密度が高く、記憶力や集中力、学力も高いことがわかっています。スポーツをして、しっかり寝ている人は、記憶の中枢である「海馬(かいば)」という部分が育つのです。
スポーツは、やみくもに練習したからといって上達するものではありません。スポーツは文化です。科学による知識を基に、知恵や遊び心を加えることで、もっと楽しめるものになるのです。
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先生情報 / 大学情報
静岡産業大学 スポーツ科学部 教授 小澤 治夫 先生
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