情報技術をどう活用するかで企業の未来が決まる?
情報技術が生み出す新しいコミュニケーション
世界中がインターネットでつながり、スマートフォンやパソコンを誰もが持っているという時代になりました。昔のコンピュータは作業の効率化だけに使われていましたが、今や人と人とのコミュニケーションになくてはならないものになりました。企業においては、情報技術が今までにはなかったコミュニケーションを生み出しています。
例えば、自動車や電気製品などの設計は長年、2次元の図面で行われてきました。しかし、もともと3次元のモノを2次元に描き直すとどうしても間違いが起きますし、設計している間は何を作ろうとしているのかがわかりにくいため、製造現場などほかの部署の人が意見を言うことは難しかったのです。情報技術の発達によって3次元で設計するようになると、ほかの部署の人が直感的に理解しやすく、「このように設計したら製造しやすくなる」と早めに提案することができるようになり、部門間の新しいコミュニケーションを生むようになりました。
企業の経営戦略に大きく影響
情報技術で新しいコミュニケーションが広がると、どのような相手とコラボレーションするかによって、さらなる可能性が広がっていきます。情報技術をどう活用するかは企業の経営戦略に大きく影響します。しかしこれまでは、情報技術は企業活動を支える手段の一つにすぎない、ととらえる経営者がほとんどで、活用方法については担当者に任せておけばよいという風潮がありました。しかし、情報技術が企業活動に大きな影響を与えるのは確かですので、経営者もしっかりと本質をとらえ、情報技術の活用を戦略的に指揮する必要があります。
求められる創造力
人工知能(AI)の発達によって人間の仕事がなくなるのではないかと話題になっていますが、そのような時代だからこそ個人や組織がどのような方向に進んでいきたいのかを創造的に考えることがますます重要になります。経営戦略とは企業がどうなりたいかを考えることであり、人間にしかできない仕事の一つです。
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先生情報 / 大学情報
東京都立大学 経済経営学部 経済経営学科 教授 竹田 陽子 先生
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