観光やスポーツにも応用! 情報科学が開く未来への可能性
情報処理技術を生かした観光データ
人工知能研究の一分野である「情報科学(インフォマティクス)」は、いまや社会に欠かせないものです。情報処理と聞くと、単にデータを解析する印象がありますが、情報社会の現代においては、そのデータをどう使うか、という応用の部分までシステムに組み込むことが求められています。
情報科学の中でも、特にテキスト情報処理技術を使った観光情報学研究の分野で、現在オホーツク圏の観光ビッグデータの共有基盤を構築するシステムづくりが進められています。オホーツク圏に散在している観光情報を集めて共有し、そこに寄せられる反応や要望を分析、反映してユーザーにフィードバックしていこうというものです。
ネットの反応も自動で集めて分析
2017年6月、ボーカロイドの結月(ゆづき)ゆかりが、オホーツク観光大使に任命され、話題を呼びましたが、このニュースには実に全国47万人以上がツイッターなどでアクセスしています。こうしたSNSなどでの個人の反応を自動的に検索・抽出して言語処理で分析し、次のアクションへと生かすという、データ収集、分析、フィードバックという双方向のシステムを構築するのも情報科学の重要な役割です。これまでは人の手でアンケートや集計を行っていましたが、情報処理技術により、あっという間に情報収集や統計、分析を行うことができるようになりました。
カーリングの戦術分析にも役立つ
情報処理技術を使ってカーリングの戦術分析を行う「カーリング情報学」もすでに実用レベルの研究が進み、データ収集と統計、分析を行い、戦術研究に役立てられています。
このように情報科学は、観光やスポーツをはじめとした異分野への応用やコラボレーション、さらには社会へのフィードバックが可能な技術分野なのです。SNSやインターネットで個人が情報を発信できる時代の中で、その情報をどう処理し生かしていくかは、今後の重要な課題であり無限の可能性がある学問分野だと言えるでしょう。
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北見工業大学 工学部 情報通信系 教授 桝井 文人 先生
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