コンタクトレンズは医療機器。正しく使わないと大変なことに!?
カラーコンタクトレンズで目に傷が生じることも
コンタクトレンズは、通販でも購入できるなど手軽な日用品というイメージがあります。でも実は、心臓のペースメーカーや腎臓透析器、バルーンカテーテルなどと同じクラスの「高度管理医療機器」に分類されているのです。医師の指示に従わずに誤った使い方をすると、目に大きなダメージが生じるおそれがあります。
例えばカラーコンタクトレンズは、黒目をくっきり見せるおしゃれのために使う人が多いのですが、一部の製品では、レンズの色素として使われている金属が最表面に着色されていると目の表面に付着し、角膜(黒目)に傷をつけてしまうことがあります。角膜には無数の神経が走っているので激しい痛みも生じます。カラーコンタクトレンズは、金属系色素が直接目に触れないような構造のものを選ぶことが大切です。
使用期限を守らないと
使い捨てコンタクトレンズを使用期限を超えて使い続けることも、目には非常にリスクの高い行為です。汚れたレンズを使い続けると、レンズ自体を異物と見なしてアレルギー反応が起きることがあります。また、汚れが原因で巨大乳頭結膜炎という病気にかかると、眼がかゆくなり、目やにが出てさらにレンズが汚れます。それがまたアレルギーの原因となり、悪循環となります。
一度濁った角膜は元に戻らない
角膜は空気中から酸素を、涙などから栄養分を取り入れています。コンタクトレンズレンズ装用中に目に必要な酸素が十分に届くことが大切です。これを酸素透過性と言います。コンタクトレンズの素材が酸素を通すことは大切ですが、カラーコンタクトレンズの場合は色素により酸素透過性が低下します。使用期限を超えてコンタクトレンズを装用し続けたり、睡眠中も外さなかったりすると、目に負担がかかり、角膜の細胞が減少して角膜を透明に保つことができず、白く濁ってしまい失明する場合が少なくありません。コンタクトレンズは医療機器であるということをわきまえて正しく使わないと、目に取り返しのつかないダメージを負うことになるのです。
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帝京大学 医療技術学部 視能矯正学科 教授 木田 淳子 先生
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