「グローバル人材」を育てて、新しい時代を生き抜く
「グローバル人材」とは何か
グローバル人材を育成することは、世界的な流れになっています。こう言うと、英語を話せる人、異文化理解ができる人を想像するかもしれません。しかし、そのような能力だけではグローバル人材にはなれません。重要なのは、「主体性をもって物事に取り組むこと」です。自分で課題を設定して、それを解決していくために、工夫や思考することをいとわない人をグローバル人材といいます。課題設定で新しい価値を生み出し、それをさまざまな分野に応用できる能力が求められているのです。
知識偏重型から主体性重視の教育へ
日本では先生たちの努力によって、優れた授業が数多く実践されてきました。一方で、学校での学びは、まだまだ知識に偏重した状態であり、依然として子どもたちが主体的に学ぶことのできる状況が十分に整っているとはいえません。また、日本の先生たちは、主体性を追求する教育になじんでいないため、従来の教育スタイルから脱却できていないのも現状です。ですから、このままでは、日本の教育の中でグローバル人材を育てることは難しいと考えられます。そこで、子どもの主体的な学びを育むために、講義型の一方通行の授業から、一人ひとりの個性や能力に応じた参加型学習への転換が必要となっているのです。また、世界には多様な教育があり、そこには子どもが主体的に学ぶことのできるヒントが隠されています。
先行きが見通せない中で生きる力を身につける
グローバル人材育成のためには、これまで行ってきた評価の方法も変えなくてはなりません。単に知識や理解を測るのであれば、マークシートテストで評価できるでしょう。しかし、主体性を評価することは簡単ではありません。生徒が生み出した価値を客観的にどのように評価するのかは、大きな問題です。
社会が求める知識や能力を身につければ生きていけた時代から、先行きが見通せない中で生きる方法を模索する時代へと変化しています。新しい時代に対応するためにも、グローバル人材の育成と、育成方法の確立が求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
福山市立大学 教育学部 児童教育学科 教授 林原 慎 先生
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