教育の中に組み入れる「SDGs」
SDGsを知っていますか?
「SDGs」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、国連サミットで採択された、2030年に向け循環型社会を実現するための行動指針です。欧州では第二次大戦後に、二度と過ちを繰り返さないために人権や民主主義の基本概念を策定した歴史があり、のちのSDGsの理念につながりました。日本では、SDGsに真摯に取り組む企業が増える一方、ブランド戦略のようにとらえる企業もあります。よりよい社会の実現と、それを次世代につなげようというSDGsの意味をしっかりと理解する必要があります。
教育システムにSDGsの考え方を
SDGsは恒常的な教育システムの中に組み込めるものです。現在、学校では国際理解教育の中で、SDGsに関するさまざまな取り組みを行っています。新たなカリキュラムを組まなくても、既存の教育システムを見直すことで、多くの教育現場がSDGsの考え方を取り入れることができます。道徳の授業はまさにSDGsの理念を学ぶ科目ですし、地理は世界の社会や環境を考える科目にできます。
学問は将来の自分のため
SDGsの4番目は「質の高い教育をみんなに」で、質の高い教育の提供と生涯学習の機会促進をめざすものです。具体的な取り組みの例として、自治体と大学が組織した連携事業「南大阪地域大学コンソーシアム」があります。そこで学生たちは地域住民と交流し、地場で作られる製品で生産と消費のパターンを学びます。社会に開かれた教育の実現とともに、SDGs 12番目の消費者教育の理念「つくる責任つかう責任」について思慮を深めることができます。また自らの不足に気づき、能動的に学ぶサイクルに導くことができます。
こうした取り組みの本質は「自分たちの未来を創るための学び」であり、世界のさまざまな課題に取り組む、ESD(持続可能な開発のための教育)にもつなげることができるのです。
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先生情報 / 大学情報
和歌山大学 教育学部 教育学 教授 岡崎 裕 先生
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教育関係、国際交流、地域連携先生が目指すSDGs
先生への質問
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