目に見えて低下してくるその前に! 筋力を保つための栄養管理

目に見えて低下してくるその前に! 筋力を保つための栄養管理

筋力が衰えると食事のバランスが崩れる?

近年、人間の健康の指標として、筋力と食事の関係が注目されています。例えば、加齢などにより筋力が低下すると、体を動かしにくくなるので、台所に立つことが大変になったり、買い物に行くのが難しくなったりします。その結果、日々の食事を簡単なもので済ませるようになることで、食事のバランスが崩れていくことが予想できます。偏った食事を続けてしまうと、さらに筋力が低下する、すると食事バランスが崩れる、結果としてさらに筋力が低下するという悪循環に陥ってしまいます。

筋力は知らず知らずのうちに低下する

筋力は徐々に衰えていきます。普段の生活で気づければ良いのですが、「最近疲れやすくなったな」と感じた時には、すでに筋力はかなり落ちているのです。筋力の状態を正確に把握して、もし低下していたら、なるべく早く対策を取ることが大切です。
一般的な筋力を測る方法として握力測定がありますが、握力が下がり始めるころには、足の力もだいぶ弱ってしまっています。そのため、下肢筋力を測定することが大切なのですが、正確に測ることは難しい場合もあります。そこで、早く歩いてもらったり、椅子からの立ち座りを繰り返してもらったりして、生活の中での動きに近い動作を評価します。

筋力を知り、オーダーメードの栄養管理を

筋力の低下に気づくことができれば、食生活を見直すきっかけにもなります。世の中には、「おかずや野菜から食べると健康に良い」「肉を食べると長生きする」などの、情報が氾濫しています。しかし、野菜やおかずから食べ始めてお腹がいっぱいになり、エネルギーのもととなるご飯が食べられなかったら、おかずで摂取したたんぱく質がエネルギーに使われて、筋肉をつくるためや体を整えるために使われないという悪循環が生まれるかもしれません。
情報をうのみにして行動するのではなく、一人ひとりに合ったバランスの良い食事、オーダーメードの栄養管理をしていく必要があるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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神戸学院大学 栄養学部 栄養学科 准教授 田丸 淳子 先生

神戸学院大学 栄養学部 栄養学科 准教授 田丸 淳子 先生

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栄養学、医学、保健学

メッセージ

将来どのような職業に就いても大切になるのが、人とのコミュニケーションです。そこでは、自分の思いや考えを言葉だけではなく、表情や態度で伝えることも重要です。同じことを話していても、無表情だとせっかくの思いや考えが相手に伝わりにくく、誤解されてしまう可能性もあります。
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