子どもの育ちを支えるソーシャルワーク
少子社会と子どもの育つ環境
少子社会は子どもの育ちにどのような影響を与えているでしょうか。子ども同士がふれ合う機会が減ることによって、子どもの社会性の発達や親子関係、遊びの内容など、さまざまな影響があります。子どもに関わるソーシャルワーカーは、社会の中で子どもや子育て中の家族がどのようなことに困っているのか、問題を抱えているのかを発見し、支援をスタートさせます。
ソーシャルワーカーができる支援
ソーシャルワークの基本は、まずは対象者の話を聞いてから、抱えている問題点を明確にしてその解決方法を探ります。対象者が子育て中の保護者の場合に理解しなければならないのは、その人の背景です。ほとんどの保護者は、親としての役割だけでなく、労働者や高齢の家族の介護者など、ほかにも重い役割を抱えていることがあります。そのため、もしその保護者が求められるすべてのことに対応できなくても、それを否定的に見るのではなく、その背景を理解した上での関わりが重要です。例えば、保育所でできる範囲の支援を示した上で、それ以外の部分だけを対応してもらう、あるいは保護者が生活に疲弊しているのであれば、無理に負担をかけるのではなく、子どもが家庭で楽しく過ごせることを優先する、などの解決策を一緒に考えます。
多職種連携を視野に
一方で、子どもへの虐待やドメスティックバイオレンス、経済的な困窮など、一人の担当者だけでは対応しきれない問題に気づくこともあります。その場合は、チームを組んで対応するのが基本ですが、時には児童相談所や他機関などと連携することも求められます。間違いや保護者との関係悪化を懸念して通告をためらうケースもありますが、本当に虐待が起きていた場合には、その間にも子どもが絶えず虐待の環境に置かれることを念頭に置くべきでしょう。自分も子育ての「セーフティーネット」の一部であるととらえて、多職種連携を進める必要性があります。
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