子どもの育ちを支えるソーシャルワーク

子どもの育ちを支えるソーシャルワーク

少子社会と子どもの育つ環境

少子社会は子どもの育ちにどのような影響を与えているでしょうか。子ども同士がふれ合う機会が減ることによって、子どもの社会性の発達や親子関係、遊びの内容など、さまざまな影響があります。子どもに関わるソーシャルワーカーは、社会の中で子どもや子育て中の家族がどのようなことに困っているのか、問題を抱えているのかを発見し、支援をスタートさせます。

ソーシャルワーカーができる支援

ソーシャルワークの基本は、まずは対象者の話を聞いてから、抱えている問題点を明確にしてその解決方法を探ります。対象者が子育て中の保護者の場合に理解しなければならないのは、その人の背景です。ほとんどの保護者は、親としての役割だけでなく、労働者や高齢の家族の介護者など、ほかにも重い役割を抱えていることがあります。そのため、もしその保護者が求められるすべてのことに対応できなくても、それを否定的に見るのではなく、その背景を理解した上での関わりが重要です。例えば、保育所でできる範囲の支援を示した上で、それ以外の部分だけを対応してもらう、あるいは保護者が生活に疲弊しているのであれば、無理に負担をかけるのではなく、子どもが家庭で楽しく過ごせることを優先する、などの解決策を一緒に考えます。

多職種連携を視野に

一方で、子どもへの虐待やドメスティックバイオレンス、経済的な困窮など、一人の担当者だけでは対応しきれない問題に気づくこともあります。その場合は、チームを組んで対応するのが基本ですが、時には児童相談所や他機関などと連携することも求められます。間違いや保護者との関係悪化を懸念して通告をためらうケースもありますが、本当に虐待が起きていた場合には、その間にも子どもが絶えず虐待の環境に置かれることを念頭に置くべきでしょう。自分も子育ての「セーフティーネット」の一部であるととらえて、多職種連携を進める必要性があります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東北文化学園大学 現代社会学部 現代社会学科 准教授 鑑 さやか 先生

東北文化学園大学 現代社会学部 現代社会学科 准教授 鑑 さやか 先生

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児童福祉学、社会福祉学

メッセージ

子どもに関する仕事やソーシャルワーカーをめざすなら、興味があることに迷いなく挑戦してみましょう。今できることをから始め、それを思いっきり楽しんでください。ものごとを楽しむことのできる能力は実践の場で必ずあなたの力になります。そして、人と関わることも大切です。誰かと一緒に共有する経験は、対人援助職として必要な利用者さんとの距離感や関わり方を自然と身につけることにもつながります。興味のあることには思い切って飛び込み、体験して、たくさんのことを感じてください。

東北文化学園大学に関心を持ったあなたは

東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。医療福祉学部では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、看護師、保健師。現代社会学部では社会福祉士、精神保健福祉士をめざせます。経営法学部では国家公務員、地方公務員、税理士。工学部では、臨床工学技士、応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト試験、建築士(一級・二級)、インテリアコーディネーターなどプロフェッショナルなライセンス取得で輝く未来をめざせます。