ソーシャルワーカーは身近な社会生活の困難に関わります!

ソーシャルワーカーは身近な社会生活の困難に関わります!

ソーシャルワーカーとは?

病気や災害、経済状況の変化などによって、誰でも社会生活の困難に直面します。社会生活の困難とは収入がないなどの経済的な問題や、障がいや病気により社会生活で不自由を抱える場合、学校に行けなくなったり、虐待を受ける場合などさまざまです。そして、本人はもちろん家族など周辺の人々も影響を受けます。ソーシャルワーカーは、社会生活の困難に直面している人々と一緒に生活課題を整理しながら支援を展開する社会福祉専門職です。

潜んでいる生活課題を認識する

ソーシャルワーカーになるための国家資格は社会福祉士や精神保健福祉士です。近年ソーシャルワーカーを必要とする場面が増えており、高齢者支援、障害児者支援、子ども・子育て支援、生活困窮者支援、医療機関、地域福祉、学校などの幅広い分野で活躍しています。ソーシャルワーカーには相談者の状況を相談者の視点から理解することが求められます。これは社会生活の困難は立場によって認識が異なるためです。善悪の視点では状況を適切にとらえることが難しいことがあります。例えば、虐待では、虐待者は悪い人と決めつけがちです。でも実際は被害者への支援だけでなく、虐待者も何らかの支援が必要であることが多いです。支援が必要な人は状況によって異なりますので、ソーシャルワーカーは善悪だけで決めつけずに、潜んでいる生活課題を認識する必要があります。

多職種連携で有効な支援へ

ソーシャルワーカー1人で問題を解決できるわけではなく、医師や看護師、リハビリ専門職、介護福祉士などの専門職、地域住民やボランティアなどと連携することが鍵になります。これは、支援の質や実効性を高めるために極めて重要です。連携は柔軟な対応や業務に限界がある場合があり、地域の実状に向き合いながら、お互いのできることや限界について共有しながら、地域で問題を解決できる総合的な支援システムが求められます。ソーシャルワーカーは生活課題を抱えている方々だけでなく、地域の支援システムづくりにも関わっています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

高知県立大学 社会福祉学部 社会福祉学科 教授 西内 章 先生

高知県立大学 社会福祉学部 社会福祉学科 教授 西内 章 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

社会福祉学

先生が目指すSDGs

メッセージ

人々の価値観が多様化している現代社会において「社会福祉学」は不可欠な学問です。社会福祉学では、あなたの身近で生活している方々がどのようなことを思っているか、どのようなことに困っているかなどに関心をもつことから始まります。授業や実習で人への尊厳を学びながら自分の固定観念に気づき、支援者として必要な人間性を磨いてください。また生活では周囲からも影響を受けていますので、人と環境を総合的に理解する視野や知識、思考力も必要になります。このように社会福祉学部では生活に必要な多様な学びを重視しています。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

高知県立大学に関心を持ったあなたは

高知県立大学は、文化学部、看護学部、社会福祉学部、健康栄養学部の4学部で構成しています。高知県は全国と比較して、高齢化で10年、人口減少で15年も先行しています。少子高齢化社会や南海トラフ地震対策など山積する課題を乗り越えて、未来の社会をどう形成するかに、学生と教職員は真剣に取り組んでいます。全学生が地域で活動し、地域の人々とともに学びあう教育に力を入れており、卒業後には、学部で身につけた専門知識を生かして地域で活躍できる人材となることをめざしています。