人が幸せに暮らす脱炭素の「まち」に何が必要か、科学的に考えよう!
2050年に温室効果ガスの排出量をゼロにする
地球温暖化問題解決のため、2050年にカーボンニュートラル、すなわち太陽光などカーボンフリーエネルギーを増やし、エネルギー消費を減らすことで両者をつり合わせることが求められており、省エネへの取り組みも重要です。家庭部門では空気中の熱を利用するヒートポンプ給湯器などが開発されていますが、住宅そのものは建て替えるまでの年数が長く断熱化がなかなか進みませんが、2050年頃には断熱化が進み、暖房エネルギーが減少し居住者の健康も守ることができます。
電力が余っている時間に自動で洗濯
カーボンニュートラルを実現するには、再生可能エネルギーの電力供給と、私たちが使う電力需要の釣り合いも大切です。そこで人間の行動をモデル化し、電力需要の時間変化を調べる研究が行われています。各家庭には30分毎の電力使用量をデータ通信するスマートメーターが順次設置されています。その使用量から起床・食事・入浴などの行動がわかり、電力需要をシミュレーションできるのです。それを活用すれば、電力が足りない時間には自動でエアコンの設定温度を1度上げるなどし、太陽光発電の電力が余っている時間に自動で洗濯や乾燥をすることも夢ではありません。
幸せなまちづくりでエネルギー消費が変わる!
私たちの社会は、これからどんどん変化します。「まち」は、住宅・ビル・モビリティ(移動手段)で成り立っていますが、テレワークや通信販売の普及でビルや商業施設のエネルギー需要は減少するでしょう。また、電気自動車の普及で、電気自動車・充電設備とパッケージになった住宅も登場するかもしれません。
現在、日本を代表する自動車メーカーや家電メーカーが「持続可能なまち」づくりに取り組んでいます。SDGsの理念も踏まえ、人が幸せになる暮らし方を明らかにして、工学の技術や方法でそれに必要なまちをつくることが、結果としてエネルギー消費を変え、温室効果ガスを全体でゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪大学 工学部 環境・エネルギー工学科 環境工学科目 教授 下田 吉之 先生
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環境工学、エネルギー工学先生が目指すSDGs
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