イヤイヤ期の子どもに、大人はどう接すればいいの?
2歳頃から始まるイヤイヤ期
多くの子どもは、2歳くらいになると、イヤイヤ期に入ります。何をするにも自己主張が強くなり、ものごとが自分の思い通りにならないとかんしゃくを起こし、寝転がって手足をバタつかせながら泣きわめいて、周囲の大人たちに抵抗します。保護者の立場からすると、どうすれば落ち着いて言うことを聞いてくれるのか、まったくわからなくて、途方に暮れてしまう時期です。
イヤイヤ期の子どもならではの事情
子どもにイヤイヤ期が訪れるのには、子どもならではの事情があります。その年代の子どもたちには「なんでも自分でやってみたい」という意欲が芽生えてきます。ただ、経験が少なく体も小さいため、うまくできない場面にたくさん行き当たります。幼い子どもは感情をコントロールする脳の前頭前野が未発達なので、思い通りにならないことに直面すると、感情を爆発させて、泣いたり怒ったり暴れたりしてしまうのです。
イヤイヤ期の子どもに対しては、厳しくしつけて言うことを聞かせるのではなく、できるだけそのまま受け止めてあげる方が、子どもの健全な発育を促すことがわかっています。大人がすべてを受け止めてあげていると、子どもは感情をコントロールする方法を、自分で学ぶようになります。子どもが「自分を出せる」ことで自己肯定感を得られる環境を整えてあげることが、イヤイヤ期には特に大切なのです。事故などにつながりかねない危険な場面では厳しく制する必要はありますが、安全に問題のない状況では、保護者や周囲の大人たちは、子どもを辛抱強く見守ってあげることが望ましいのです。
子どもには自分自身で学び成長する力がある
子どもは非常に早い時期から、自分自身で学び、考え、育っていく力を高いレベルで持ち合わせていることがわかっています。保護者や周囲の大人たちには、子どもを取り巻くさまざまなものごとについて、できるだけ多くの選択肢を用意して、子どもが自分自身で選び取って成長していける環境作りを心がけることが大切なのです。
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玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 教授 大豆生田 啓友 先生
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