講義No.10963 児童学 教育

イヤイヤ期の子どもに、大人はどう接すればいいの?

イヤイヤ期の子どもに、大人はどう接すればいいの?

2歳頃から始まるイヤイヤ期

多くの子どもは、2歳くらいになると、イヤイヤ期に入ります。何をするにも自己主張が強くなり、ものごとが自分の思い通りにならないとかんしゃくを起こし、寝転がって手足をバタつかせながら泣きわめいて、周囲の大人たちに抵抗します。保護者の立場からすると、どうすれば落ち着いて言うことを聞いてくれるのか、まったくわからなくて、途方に暮れてしまう時期です。

イヤイヤ期の子どもならではの事情

子どもにイヤイヤ期が訪れるのには、子どもならではの事情があります。その年代の子どもたちには「なんでも自分でやってみたい」という意欲が芽生えてきます。ただ、経験が少なく体も小さいため、うまくできない場面にたくさん行き当たります。幼い子どもは感情をコントロールする脳の前頭前野が未発達なので、思い通りにならないことに直面すると、感情を爆発させて、泣いたり怒ったり暴れたりしてしまうのです。
イヤイヤ期の子どもに対しては、厳しくしつけて言うことを聞かせるのではなく、できるだけそのまま受け止めてあげる方が、子どもの健全な発育を促すことがわかっています。大人がすべてを受け止めてあげていると、子どもは感情をコントロールする方法を、自分で学ぶようになります。子どもが「自分を出せる」ことで自己肯定感を得られる環境を整えてあげることが、イヤイヤ期には特に大切なのです。事故などにつながりかねない危険な場面では厳しく制する必要はありますが、安全に問題のない状況では、保護者や周囲の大人たちは、子どもを辛抱強く見守ってあげることが望ましいのです。

子どもには自分自身で学び成長する力がある

子どもは非常に早い時期から、自分自身で学び、考え、育っていく力を高いレベルで持ち合わせていることがわかっています。保護者や周囲の大人たちには、子どもを取り巻くさまざまなものごとについて、できるだけ多くの選択肢を用意して、子どもが自分自身で選び取って成長していける環境作りを心がけることが大切なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 教授 大豆生田 啓友 先生

玉川大学 教育学部 乳幼児発達学科 教授 大豆生田 啓友 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

教育学、乳幼児発達学

メッセージ

幼児教育は、あなたが思っている以上に豊かな世界です。子どもたちは驚くほど、自分自身で成長する力を持っています。周囲のさまざまなことを敏感に感じ取り、喜んだり、怒ったり、悩んだりしています。子どもたちを教える立場の私たち自身もまた、子どもたちに育てられているのだということに気づかされるのです。
一人ひとりの子どもの個性を受け止め、伸ばしていくことのできるこの魅力的な学問を、ぜひ学びに来てください。

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―8学部17学科がワンキャンパスに集まる総合大学!―「全人教育」の理念のもと“「人」を育てる”ことをめざす玉川大学は、8学部17学科の学生がワンキャンパスで学んでいます。61万㎡の広大な敷地には、各学科での深い学びに加え、学部学科の垣根を越えた学びの環境を用意。学外での体験型学修や、「使える英語力」を身につける「ELFプログラム」などの独自プログラムも実施しています。また、2020年4月に利用開始した「STREAM Hall 2019」では、農・工・芸術学部が学部の枠を越えた学びを展開します。