障がいのある子どもへの適切な指導法とは?
発達障がいとは
発達障がいのある子どもは、情報の取捨選択が苦手です。授業中、黒板に注目すべきなのに、黒板の横の掲示物が気になったり、窓の外から聞こえる自動車の音が気になって先生の話を聞き取ることができなかったりすることがあります。匂いや皮膚感覚などに過敏さがある人もいます。言われた言葉を文字通り受け取ってしまったり、その場の雰囲気に合わない発言をしてしまったりすることで友達との関係をうまく築くことができない人もいます。あなたが自転車に乗れるようになった時、最初は安全に操作することに集中していたと思いますが、操作に慣れてくると、周りの景色を見たり、風を感じたりする余裕が出てきたはずです。発達障がいのある子どもは、いつも初心者マークをつけて、強い緊張感をもって生活していると考えてみてはどうでしょうか。
大事なのは「シンプルに伝える」こと
発達障がいのある子どもの中には、聴覚からの情報を理解することが難しい場合があります。伝える時のポイントは、指示を簡潔にすることです。箱を持って隣の部屋に行く時には、「箱を持ってください」と「隣の部屋に行ってください」と分けて言うようにします。あるいは口頭ではなく、行動すべき内容をイラストなどにしたカードを提示し、視覚に訴えることも有効です。指示したとおりに行動できなかった時は、伝え方が適切ではなかったと反省し、一人一人に合った伝え方を工夫することが必要です。
特別支援教育のめざすもの
特別支援教育は、障がいのある幼児児童生徒が自立し、社会参加するために必要な力を培うため、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その可能性を最大限に伸ばし、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものです。失敗したことを注意するのではなく、どうすれば良かったのかを一緒に考えること、一人一人のものの見方や感じ方、考え方が異なるものであることを認め合っていくことによって、同じ時代を共に生きる仲間として支え合っていくことができるのです。
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先生情報 / 大学情報
名寄市立大学 保健福祉学部 社会福祉学科 准教授 矢口 明 先生
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