未来の社会を支える! 新しい光の通信技術となるシリコン半導体

未来の社会を支える! 新しい光の通信技術となるシリコン半導体

未来のニーズに応える光の新技術

これからの時代、ますます通信技術の向上が求められます。現在の通信インフラのメインは、透明な繊維に点滅するレーザ光を通す「光ファイバ」です。車の自動運転が当たり前になると、今の数千倍のデータ通信が必要になります。また、スーパーコンピュータなどの処理能力向上も、通信技術が土台となるのです。そのため、通信データの大容量化、効率化、高速化、省電力化が急務となっています。それらを可能にするのが、シリコンを対象とした光の科学である、「シリコンフォトニクス」という研究分野です。

「光+電子」の回路を持つシリコン半導体

シリコンフォトニクスは、シリコン半導体の基板に、光素子や光変調器などの素子を集積させる技術の研究です。現状の基板には電子回路のみが設置されています。シリコン半導体の基板には、電子回路にプラスして光の機能も集積できます。これにより、まったく新しい大規模な集積回路(LSI)を構築できるようになり、飛躍的な通信システムの性能向上が見込まれています。今、このテクノロジーは世界中で注目され、日本には複数のメーカーによる合同研究チームもあるほどです。光通信のほかに、人工知能(AI)や量子技術といった多様な分野で活用できると期待されています。

未来の社会基盤として世界が注目する光の通信

シリコン半導体のベースには、微細加工技術の向上があります。これにより小型化でき、光素子を活用できるようになりました。光には多くの波長があり、変調器によって分離させ、別々の光信号として光ファイバで送信します。出力ポートでは、それを集光させて出力します。この変調技術の向上と同時に、さらに新しい光の応用の技術開発の模索もなされています。
今後は、遠隔医療も格段に向上するでしょう。在宅医療の分野では、センサで血圧など体の状態を測定し、診察できる社会をめざしています。その際にも、大容量通信が必要であり、未来の社会基盤として光通信は不可欠なのです。

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先生情報 / 大学情報

徳島大学 理工学部 理工学科 光システムコース 教授 藤方 潤一 先生

徳島大学 理工学部 理工学科 光システムコース 教授 藤方 潤一 先生

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光学、情報光学

先生が目指すSDGs

メッセージ

これからの時代、通信技術はますます重要になります。機械やロボットと人、物と物をつなぎ、さらには宇宙との通信など、高性能化していくでしょう。光の新しい技術である「シリコンフォトニクス」は、それらすべてに関わる研究です。光の活用は、未知の部分も多く、可能性は広がっています。
また、今後はSDGsも欠かせない視点です。未来を創るための新しい技術を開発するには、想像力や発想力がとても大切です。高校生の今だからこそ、自由に未来の社会を思い描き、何が必要となるか想像してみましょう。

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