まちづくりで環境を守れ! 都市整備の未来

まちづくりで環境を守れ! 都市整備の未来

環境に配慮したまちづくり

あなたが住んでいるまちは、どんなまちでしょうか。全国にはさまざまなまちがありますが、どのようなまちであっても、まちづくりを考えない地域はありません。最近では利便性だけでなく、環境に配慮したまちづくりの必要性が高まっています。環境に配慮したまちづくりとは、いったいどんなことを言うのでしょうか。ここでは、郊外にある大型ショッピングセンターを例に、環境に配慮したまちづくりを考えてみましょう。

大型ショッピングセンターの出現の功罪

1980年代から2000年代なかばにかけて、日本の多くのまちで郊外に大型ショッピングセンターが建ちました。大型のショッピングセンターは、一カ所ですべての買い物ができる利便性がありますが、いくつかの弊害ももたらしました。広大な敷地を使って建てられる大型のショッピングセンターは、都心より地価が安い郊外につくられることが多いです。そのようなショッピングセンターは、車で訪れる利用者がほとんどで、人々が買い物にいくだけで、ガソリンの消費や、CO₂の排出が増えるという事態が生まれたのです。一方、まちの中心部では商店街などの利用者が減り、中心市街地がシャッター通りとなってしまうケースも出てきました。その結果、車を運転できる人には住みやすいが、徒歩やバスなどの公共交通を中心に生活している人にとっては住みにくいまちを生み出してしまっています。

環境にも人にも配慮したまちづくりのルール

環境とは、「自然」に対する配慮だけでなく、そこに暮らす「人」に対する配慮も必要とするものです。人々が暮らしやすく、自然環境にも優しい、そんなまちづくりを考える必要が出てきています。これには、法律などのルールづくりが欠かせません。先ほどのショッピングセンターの例では、2006年に「まちづくり三法」(都市計画法・大規模小売店舗立地法・中心市街地活性化法)と呼ばれている法律が改正され、商業施設の立地場所をどのようにするかは、それぞれのまちが考えて決めることになりました。

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下関市立大学 経済学部 公共マネジメント学科 教授 菅 正史 先生

下関市立大学 経済学部 公共マネジメント学科 教授 菅 正史 先生

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都市計画、都市政策、まちづくり

メッセージ

みなさんが大学で学んだ後、行政、民間、そのほかどのような分野に進む場合でも、環境は非常に重要な問題になってきます。みなさんの中には、環境問題は理系の人たちが解決していく問題と考えている人もいるかもしれませんが、実際には経済の仕組み、法律、ルールなどの、社会の仕組みに関係するすべての分野にまたがる問題です。これからの社会をつくっていくあなたにぜひ、環境についてもっと考えてもらいたいと思います。下関市立大学で、一緒に学んでいきましょう。

先生への質問

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