マイノリティー差別をなくすために、私たちができることは?

マイノリティー差別をなくすために、私たちができることは?

日本にも多くのマイノリティーがいる

日本の若い世代には「人間はみんな同じで平等だ」と考えている人が多いようです。間違いではありませんが、周囲の身近な人だけを見てそう判断しているなら、注意する必要があります。日本国内を見ても、さまざまな立場や考え方をする人が存在し、お互いにわかり合うのは簡単ではありません。日本には、例えば高齢者や障がい者、在日外国人、被差別部落出身者、被災地からの避難者など、弱い立場に置かれている「マイノリティー(社会的少数者)」がいます。こうした人々は、置かれている環境や考え方の違いから、差別や偏見の対象となることがあります。

不利な扱いを受けやすい「女性」

また女性は人口の半分を占める存在ですが、男性と比べると職場や家庭、地域内で不利な扱いを受けることが多く、広い意味でのマイノリティーと言えます。こうしたマイノリティーに対し、「みんな同じで平等だ」と思うだけでは、差別はなくなりません。なぜなら生まれ育った環境・人種や性別によるバックグラウンドは人によって異なるため、マジョリティー(多数派)にとっての「当たり前」は、マイノリティーにとっての「当たり前」ではないからです。このような考え方のズレが、さまざまな差別の原因となっています。

まずは「みんな違う」と知ること

マイノリティーへの差別をなくし、さまざまな価値観や考え方を持つ人が理解し合うための解決策の一つは、国の支援です。例えば女性や障がい者が働きやすい環境を整えたり、マイノリティーの政治家やリーダーの数を増やしたりすれば、マジョリティーが見えていない部分が可視化され、現状が改善される可能性が高まります。そして私たち個人にできることは、「人間はみんな同じ」と単純に考えるのではなく、「みんな違う」という前提を持つことです。まずはマイノリティーの人々が置かれている状況を正しく学び、コミュニケーションを深めることが、異文化を理解し、少しずつでも差別を減らすことにつながるのです。

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同志社女子大学 現代社会学部 社会システム学科 教授 Lisa Rogers 先生

同志社女子大学 現代社会学部 社会システム学科 教授 Lisa Rogers 先生

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異文化関係学、社会学、多文化関係学

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メッセージ

普段から好奇心を持ってほしいです。日常的に利用する場所でも、よく見ると多くの発見があります。例えばスーパーマーケットは、地域の人々の暮らしや文化が見えてくる興味深い場所です。
もし外国のスーパーに行く機会があれば、日本と比べて「何があって何がないか」を調べてみましょう。最初は「日本になくてそこにあるもの」に目がいくかもしれませんが、「日本にあってそこにないもの」に目を向けることも大切です。日本にあるものがないなら、「なぜないのか」まで考えてみると、世界が大きく広がります。

先生への質問

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『Always rising to a new challenge(いつの時代も、新しきを生きる。)』
同志社女子大学は創立以来、常に時代の先駆けとなる新しい教育・研究に挑戦し、148年の歴史を歩んできました。キリスト教主義、国際主義、リベラルアーツを教育理念とし、学生一人一人が持っている才能を生かして、責任感を持って社会に貢献できる女性を育むことをめざしています。専門分野の研究のみならず異なる領域について学ぶことで、幅広い視野と豊かな発想、総合的な判断力を養うことを教育の基本に据えています。