どこまで進む? ファッション業界のテクノロジー
テクノロジー化が進むファッション業界
いまや、服の買い方もさまざまです。お店に行き、販売員と相談しながら買い求める人もいれば、通信販売を利用する人もいます。ファッション業界は、時代に敏感でなければなりません。そのため、以前からテクノロジー化も進んでいました。有名な老舗高級ブランドでも、以前は職人が行っていた仕事をコンピュータが行っています。デザイナーが描くスタイル画も、モデリストが制作する服のサンプルも今やCGです。しかも3Dなので実際のイメージを表現できます。営業や商品企画部門の業務もほぼデジタル化され、顧客情報をコンピュータ上で一元管理し、競争力を磨いています。さらにコロナ禍で、それまで人の知識と経験に任されていた分野でも、テクノロジー化が一気に進みました。
入り口はAI、フォローは人が
服の売り方も変化しています。販売員の仕事場といえば実店舗ですが、そこにSNSが加わりました。その一つがインスタライブです。次々に服を紹介し、視聴者と対話しながら画面越しに販売するやり方は以前からありましたが、今後はそこにAI(人工知能)が入り、顧客に似合う服を勧めるようになるでしょう。ただし、ファッションは感性です。AIが勧めたコーディネートに納得できない人も出てきます。そこで、ライフスタイルや、悩み、嗜好(しこう)などをヒアリングして満足のいくコーディネートを助言できるのが販売員です。特に新規顧客の獲得のためには、パーソナルスタイリストのように相手の細かいニーズに応えることが、ますます重要になるでしょう。
人にしかできない役割
テクノロジーは進化しますから、さらに分析力を備えたAIが、パーソナルスタイリストのように振る舞う時代も来るかもしれません。すでに、ユーザーの手持ちの服を生かした、毎日の着回しコーディネートを提案するアプリも登場しています。その一方で販売員は、AIの影響が大きくなればなるほど、人にしかできない高いレベルの役割が求められるのです。
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先生情報 / 大学情報
神戸国際大学 経済学部 国際文化ビジネス・観光学科 教授 山本 ひとみ 先生
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