遊びの中で見つけよう! 音への興味に寄り添う保育

遊びの中で見つけよう! 音への興味に寄り添う保育

音を聴き、想像を膨らませる子どもたちの姿

乳幼児期の子どもたちは、園生活や遊びの中で、音や音楽を感じ取り、表現することを楽しんでいます。例えば、自然の中では、雨の音や鳥の鳴き声など、いろいろな音があることに気付きます。さらに雨の音も少しずつ音色が違うことにも気付き、聴いているのです。そして感じ取った音から想像を豊かに膨らませます。子どもたちが音とどうかかわっているかを読み取り、音に対する興味関心をもとに「音遊び」や「音楽遊び」を作っていくことが重要です。

遊びの中で、音や音楽を感じとる経験

友達や保育者の存在は大きいものです。森の「音散歩」では、保育者が、「どんな音が聴こえる?」と問いかけると、じっと自然の音に耳を澄ませる子どもの姿があります。そして、「きれいな鳥の声。遠くにいるんじゃない?」とつぶやき、友達と気付いたことを伝え合います。また、ある子どもが、雪が降ってきたことに喜び、「雪やこんこ…」と歌い始めたことをきっかけに、他の子どもたちも次々と声を重ねていき、大合唱になることもあります。乳幼児期の子どもたちは、遊びや経験を通して、人とのつながりの中で音や音楽を感じとり、学んでいるのです。

音や音楽に気付き、考え、自分なりに工夫すること

これからの時代には、他者と協働し、未知の状況にあっても知恵をしぼり、生き抜いていく力が求められます。乳幼児期には、遊びや経験を通して、そうした力の芽生えを育んでいきます。音・音楽遊びでは、どんな音を出そうかと試行錯誤し、たまたま鳴らした楽器の音が重なり合って、音をぴったり合わせることの面白さに気付くことがあります。ある園では、子どもたちが、ジャングルジムに雨どいを立てかけて、楽器をつるし、ビー玉を転がして音が鳴るのを楽しんでいました。ここで興味深いのは、子どもたちが、どうしたら思い通りの音が出せるか、友達とあれこれ相談して、楽器の鳴らし方を工夫していたことです。保育者は、子どもたちが音色や音の重なりを探求できるように、さりげなく援助するのです。

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先生情報 / 大学情報

ノートルダム清心女子大学 人間生活学部 児童学科 講師 藤掛 絢子 先生

ノートルダム清心女子大学 人間生活学部 児童学科 講師 藤掛 絢子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

保育学、音楽教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

子どもは、豊かな想像力で音や音楽とかかわっており、大人が忘れかけていた幼い頃の記憶を思い出させてくれることがあります。あなたがもし保育に興味があるなら、身近な子どもたちとかかわる機会をもちましょう。子どもたちと一緒に、生活や自然の中にある音を探しに出かけると、新しい発見があるかもしれません。また、電車の中や街中では、親子で歌っているところを見かけることもあります。音や音楽を通したやりとりや、子どもが体を動かしながら歌っている姿をよく観察してみると、子どもならではの発想や表現に気付かされます。

先生への質問

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本学は1949年に中四国で最初の4年制女子大学の一つとして岡山県に創立され、これまで一貫して女子高等教育に取り組んできました。キリスト教精神に基づき、平和でよりよい世界へ貢献できる女性を育成する、リベラル・アーツ・カレッジです。専門的な学びをそれぞれの人生の課題に結びつけ、豊かな知性と社会へのまなざしをそなえた「真の自由人」への成長を促す教育プログラムを整備しています。