見知らぬ相手とのスモールトークが、英語上達のカギになる!

見知らぬ相手とのスモールトークが、英語上達のカギになる!

見知らぬ人とも会話をするのは当たり前

日本と英米語圏の文化は異なります。日常のシーンでも、その違いはよく見られます。例えば、日本人は見知らぬ人と会話をすることはめったにありません。しかし、英米語圏では空港などで、見知らぬ人同士が「飛行機が遅れているね」など、会話をしながら時間をつぶすのはごく当たり前のことです。また、スーパーやコンビニで、店員さんと会話をしたり、冗談を言い合うという慣習もあります。日本人は、列の後ろで待っている人に迷惑をかけないよう、無言でできるだけ早く支払いを済ませようとしますが、そうした態度は英米語圏の人から見ると違和感があります。このように英米語圏では、公共の場で見知らぬ相手と「スモールトーク(small talk)」をする慣習があるのです。

自虐ジョークで聴衆の心をつかむ

ビジネスの現場でも慣習の違いが見られます。英米語圏では例えば、商談に入る前に天気の話などのスモールトークをしますし、職場の会議でも雑談をしてから本題に入ります。日本では時間の無駄とみなされることも、英米語圏では慣習的に行われているのです。
また、スピーチでジョークを言ったり、配偶者を褒めたりするのも英米語圏では一般的です。アメリカのジョージ・ブッシュ元大統領は、日本の晩さん会の席で嘔吐したことを一般教書演説の中で「自虐ジョーク」として語りました。この自虐ジョークは聴衆の笑いを誘いましたが、日本では真面目な正式な場面でジョークを言うのは不適切とみなされます。

文化に理解を深めながら言語を学ぶ

「文化を理解して、言語を学べ」と言われるように、「見知らぬ人と会話をする」「商談や会議前に雑談をする」「演説にジョークを交える」といった英米語圏の慣習を理解することは、言語の理解にもつながります。逆に、これらの慣習を理解していないと、英語を本当の意味で習得したことにはなりません。「文化」というと漠然としていますが、スモールトークや演説のジョークも文化の1つなのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

神戸市外国語大学 外国語学部 国際関係学科 教授 山口 征孝 先生

神戸市外国語大学 外国語学部 国際関係学科 教授 山口 征孝 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

社会言語学、言語人類学、談話分析学

先生が目指すSDGs

メッセージ

英語を上達させたいと思っている人は、世界で話題になっているニュースに目を向けてください。例えばアメリカで、白人警官が黒人少年を射殺した話題が大きく取り上げられていました。私は講義でその事件を扱いました。そのような話題は日本に暮らしているかぎり関係ないかもしれません。しかし英語を学びたいのなら、海外で学ぶ機会もあるでしょう。その時に国際情勢を知らなければ、海外の人々との会話の機会を生かし切れません。国際的なニュースに関心を向けることは、世界への関心を広げ、学習意欲を高めることになると思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

神戸市外国語大学に関心を持ったあなたは

神戸市外国語大学は、外国語並びに国際文化に関する理論と実際を教授研究し、高い外国語能力、広い国際知識、深い法・経・商等の基礎的教養を具えた、人格の円満な、国際的人材を育成すると共に、地方における特殊な学術研究の中心として、文化の発展向上への寄与を目的としています。外国語の会話の中で問われるのは、その人の持つ教養、知識、さらには人間性であり、実用の語学とはそうしたものの上に立っています。未知の世界、新たな可能性に向かって歩み出したいという意欲に燃える若い人たちの期待にこたえうる魅力的な大学です。