将来当たり前の存在に? 人間のように動く「自律型ロボット」
リビングを片付け
床が散らかったリビングがあったとします。「きれいにして」と声をかけるだけで、落ちているペンは机の上に、ごみはごみ箱に片付けていくロボットがいたとしたら、便利だと思いませんか? ロボット掃除機は既に商品化されていますが、そのさらに何歩も先を行くロボットです。高度な人工知能(AI)を持ち、ロボットが自ら考え、行動する「自律型ロボット」の研究が進んでいます。
技術を総動員
ロボットの研究開発は、メカニズムはもちろん、ソフトのプログラミングなど最先端技術の集合体です。技術や創造力を多方向から総動員して行います。例えば前述のような片付けができるロボットなら、まず移動機構が必要です。足で歩くヒト型にするのか、車輪型にするのかを判断しなければなりません。物をつかむのなら腕と手が必要です。物がどこにあり、それが何かを認識するには、画像認識や物体認識、計測の技術が問われます。ロボットビジョンといわれる分野です。人間とコミュニケーションを図るための音声認識技術、頭脳にあたるAIも、性能・機能を繰り返し評価しながら仕上げていきます。かつては企業に発注して調達していた部品も、近年は自らCADで設計し、3Dプリンターで自作できるようになりました。形状にこだわるなど、より柔軟な開発が可能になってきています。
ロボカップ@ホームで競い合い
自律型ロボットの研究成果がわかる場として、「ロボカップ@ホーム(アットホーム)」という競技会があります。家庭環境を想定した課題に取り組み、その達成度を競い合う場で、実用性が重視されています。ここでは毎年、人と自然にやりとりできる、見ていて楽しいロボットも登場します。
高齢化が進む社会では、日常生活を支えるロボットの活躍が期待されています。人手不足が指摘されている流通や介護、医療現場でも自律型ロボットの開発は求められており、市場はますます広がっていくでしょう。
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創価大学 理工学部 情報システム工学科 教授 崔 龍雲 先生
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