自分のまちの魅力を答えられますか? ~観光とデザインの関連性~

自分のまちの魅力を答えられますか? ~観光とデザインの関連性~

デザインはブランディングの要

街並みや観光施設、ロゴマークや観光サイン、ご当地キャラクター、土産物のパッケージなど、観光地で見かけるビジュアルには、その地域ならではの特徴が現れていてほしい、または表されているべきです。デザインの中でもビジュアルに表すスタイリング(色とか形を扱う)を行うためには、市場やターゲットの調査などマーケティングが必須ですし、できたデザインの運用やマーケットとのコミュニケーションを管理するためのマネジメントも欠かせません。観光・地域をブランド化していくためにはそのビジュアルをコントロールするためのマーケティング〜スタイリング〜マネジメントといったデザインの力が要になります。

ウチとソトから地域の魅力を分析

地域をブランド化するために必要なものとは何でしょうか? 一つはウチ側の人々がその地域のことをよく理解していることです。例えばあなたは自分の出身地の観光名所をいくつ答えられますか? 魅力は何ですか? 案内はできますか? まずはウチ側の人が自分の住む地域に愛着を持ち、価値を認めることが必須なのです。もう一つが、ソトに向けた積極的で戦略的な情報発信です。まずウチの人が良いと思い、愛着があれば、ソトに向かって積極的に魅力を伝えることができます。そして地域のアイデンティティに根ざすかたちで観光地も特産品もブランド化されていけば、地域全体のブランド力に結びつき、良い相乗効果が生まれます。

地域をブランド化する

例えば京都は伝統文化や歴史と強く結び付くというアイデンティティがあり、そこに立脚した数多くの観光地・特産品ブランドに支えられることで高いブランド力が構築されています。おかげで「京○○」と商品名に地域名がつくだけで付加価値があるように伝わります。ウチに住む人、ソトから来る人への調査により、その地域のアイデンティティをはっきりさせ、ブランドとしてどんなイメージを打ち出し、具体的なビジュアルにしていくかが重要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

和歌山大学 観光学部 観光学科 教授 北村 元成 先生

和歌山大学 観光学部 観光学科 教授 北村 元成 先生

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観光学

先生が目指すSDGs

メッセージ

コロナ禍では、外出を控える、人混みを避けるなど、旅行や人が集まるイベントが関わる観光産業にとって厳しい時期でした。しかし一方では新たな観光のスタイルも生まれてきています。インバウンドからマイクロツーリズム、持続可能な観光、リアル×バーチャル、Web2.0への対応、観光のユニバーサルデザイン化などです。今は日本の観光、地域の観光を見直して、基礎体力を養うチャンスでもあります。
新しい観光スタイルが生まれつつあり、そのためには従来のものではない観光学が必要です。新しい観光学を一緒に作っていきましょう。

先生への質問

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和歌山大学に関心を持ったあなたは

和歌山大学は未来を託そうとする若者、保護者のみなさんの願いを受けとめ、若者とともに希望ある未来を創り出したいと決意しています。
新たな学びの場・新たな生活の場へ、期待とともに不安もあると思いますが、国立大学の強みは、学生数に対して教員数が多く、学生と先生の"つながり"が強固なことです。なかでも和歌山大学は、小規模クラス授業や対話的授業を重視するなどきめ細やかな教育と、行き届いた学生生活支援の体制を整えています。そして、卒業後の進路・就職を拓くキャリア・サポートには定評があります。