明治維新から探る、現代に「改革」起こす人材とは?
歴史における明治維新
江戸時代の封建的な政治を改革に導いた明治維新ですが、この改革がなければ今の日本はどうなっていたでしょうか。明治維新以前、日本は200年以上にわたって「鎖国」していましたが、この政治体制を変えることは容易ではなかったはずです。改革を起こすにはいくつかの条件が必要です。まずは社会に問題があること、リスクを恐れないリーダーが出てくること、そして引き金となる出来事があることです。明治維新の時には、ペリー来航が引き金となりました。
現在の日本も、江戸時代同様、大きな社会問題に直面しており、明治維新の時の長州藩、薩摩藩のようなリーダーシップを必要としています。
当時のグローバリゼーション
ペリーの来航時、人々は幕府の脆弱(ぜいじゃく)さに気づき、不満を抱く人が増えました。そんな中、長州藩や薩摩藩などから登場したリーダーが、旧態依然とした幕府を倒します。その後、彼らは海外諸国に出向いて教育制度や政治などを調査し、日本に持ち帰っては取捨選択して、新しい日本を作っていったのです。グローバリゼーションとはつまり、「バリアがない」ということです。鎖国というバリアがなくなった明治時代は、制度、人、モノ、アイデアが日本に入り、日本が大きく変わった時代でした。
明治維新のような改革が必要とされている
開国後、日本は世界の中で何者であるのかということを考えさせられました。令和になった現代、日本は江戸時代と同様か、またはそれ以上に大きな課題を抱えています。実業家のイーロン・マスクは、「このままでは日本は消滅する」と言っていますが、これは本当に起こり得ることです。少子高齢化で、出生数が死亡者数を下回る現状が続けば、計算上、当然そうなるのです。
このような課題は、長年認識されていますが、まだ大きな変革は見られません。これをどう解決するのか。明治維新のような改革に学び、海外との交流を図りながらリーダーシップを発揮できる人を、今の日本は必要としているのです。
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関西外国語大学 国際共生学部 国際共生学科 教授 リンダ・ボアカー 先生
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