世界が広がる! 英語教授法「TESOL」
TESOLとは
「TESOL」は、英語を母国語としない人向けの英語教授法です。TESOLには指導を受ける人の母国語の特徴や、英語を第二言語とするのか第三言語とするのかによって異なる理論があります。そうした個別の理論をベースとしながらも、「理論を実践に溶け込ませる」ことがより重要です。例えば単に文法構造や表現方法、語彙(ごい)を覚えさせるのではなく、なぜこの場面ではこの単語が使われるのか、その背景にはどんな文化的な要素があるのかについて教えることで、より実践的な力が身につくのです。
英語指導の3つのアプローチ
TESOLの実践的な英語指導には、3つのアプローチが重要です。「コミュニケイティブアプローチ」は、単にテキストを読むのではなく、英語を使って相手にメッセージを伝えることを前提にした指導を行います。「コンテンツベースドアプローチ」は、例えばアメリカ文化やニュースサイトなど、何らかのコンテンツを学ぶためのツールとして英語を指導する方法です。そしてこの2つを合わせた「タスクベースドアプローチ」においては、グループでタスクを完了させるための英語指導法です。例えばグループでSDGsについて議論するとき、発言が少ない人には発言を促して、自分ばかり話す人には自制を促すなど、議論という目的を完遂するためにいかに英語を使うのかを学びます。
日本人学生の傾向
第二言語として英語を学ぶ日本人学生は、高い基礎力を備える反面、得られた知識を生かす応用的な力が不足する傾向が見られます。その背景には失敗を恐れる気持ちがあると考えられます。赤ちゃんがはいはいから起き上がり、何度も転びながら歩けるようになるように、言語も何度も失敗を重ねながら、時間をかけて習得するものです。机上の学びだけではなく、実際に行動しながら覚えることで、学習した内容は90%以上定着するという先行研究があります。単なる英語の学習にとどまらず、英語をいかに生活の中に取り入れるかが、TESOLの重要なポイントなのです。
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