知る、楽しむ、植物の可能性を広げる研究

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杏仁豆腐の上にある赤い実は何?

杏仁豆腐の上に飾られている赤い実を見たことがありますか? あれは「クコの実」。中国の薬食同源(食べるものと、薬になるものの源は同じ)の考えから生まれた薬用植物です。よく料理で使われているショウガもそうです。東洋医学の『食養生』に基づき、自分の体質や体調、季節などに合わせた食材を食することで、からだのバランスを整え、健康的な食生活を過ごしましょう。

植物のことは植物が教えてくれる

似ている植物が多いです。しかし、有毒植物を誤食すると食中毒が発生してしまいます。また、薬用植物を誤用すると効果が異なってしまいます。だから、正しく見分けることが重要です。同じボタン科ボタン属のボタンとシャクヤクは見分けが難しい綺麗な花を咲く薬用植物です。ボタンの茎は太い木本、花は大きい、葉はツヤがない、乾燥した根皮は生薬のボタンピ。シャクヤクの茎は緑の草本、花は小さめ、葉はツヤがある、乾燥した根は生薬のシャクヤク。多種多様な植物たちは、自分の色や形、姿、香、味を持っています。ゆっくり観察すれば、植物の特徴を見分けすることができます。

植物の翼、どこまでも続く

世界は広くて、植物の種類も多いです。いま私達が知ってる植物数は約30万種、薬用植物はその10分の1しか利用していません。薬用植物は古くから私達に使われてきました。「薬」の文字は草冠に楽しいと書きます。草を食べて楽になる、それは「クスリ」です。天然薬物の医薬的価値を高めるため加工を施されたものは「生薬(しょうやく)」、たくさんの生薬を組み合わせしたものは漢方薬です。
新たな薬用植物の発見や新たな用途価値の提案は、資源を持続可能かつ有効活用に繋がります。植物の翼をどこまでも続くには、生産と需要の調整、産官学の連携、国際のパートナーシップが必要です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

横浜薬科大学 薬学部 漢方薬学科 教授 李 宜融 先生

横浜薬科大学 薬学部 漢方薬学科 教授 李 宜融 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

植物学、薬用資源学、伝統医薬学、生薬学

先生が目指すSDGs

メッセージ

だれもが自分の翼を持っています。あなたが持つ翼をどう使いたいか、柔軟に考えてほしいです。遠くまで飛んでいくのもいいですし、同じ場所でより高く飛び上がるのもいいでしょう。迷ったときは家族や友達、先生に意見を聞いて、悩んで、考えて、最後は自分で決めることが大切だと思います。
そして、自分の決断を信じて一生懸命取り組んでほしいです。たとえ結果がすぐに出なくても投げ出さない、試練はあなたをより強くなる、少し休んで、明日また飛べばいい。あなたの翼を広く高くどこまでも続くよう、私も応援しています。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

横浜薬科大学に関心を持ったあなたは

全国初の6年制薬科大学として開学した本学は、患者一人ひとりの苦しみを理解できる”惻隠の心”と”心の温かさ”を育てる教育を実践する。学長にはノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈先生が就任。世界的な科学者の視点で個性教育を行うとともに、強く薬剤師を志す人の努力にはサポートを惜しまない風土が強みである。