人工知能(AI)の時代

人工知能(AI)の時代

Society5.0

狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に次いで、歴史上、私たちは第5の社会「Society5.0」を迎えていると言われています。例えば車でどこかに向かうことを考えましょう。第4の「情報社会」は、カーナビに教えてもらったルートに従って目的地を目指す。ただし、運転はあなた自身でしてください。そうした時代です。他方、Soceity5.0は、運転操作に人が関わる必要がなく、全てを自動化する。そうしたこと目指しています。車に限らず、ロボットや建設用/農業用機械などの完全自動化も図られています。Society5.0を支える中核技術の一つが人工知能(AI)です。

AIの時代を支える技術

AIは大量のデータ(過去の経験)を学習し、現在の状況分析や将来予測を行います。AIに学習させる技術が「機械学習」です。機械学習にはさまざまなアルゴリズムがありますが、特に「深層学習(deep learning)」の技術が実用化したことが大きなターニングポイントになっています。この他に、AIに膨大なデータを学習させるために必要な計算機の高速化・大容量化が進み、また、車やロボットがさまざまな情報を取得するためのセンサー技術の発達、取得した大量の情報をAIにリアルタイムに送る通信技術の発達がSociety5.0を支える基盤になっています。

AIの時代の光と影

AIは学習に必要なデータが十分に蓄積されていると、少なくとも技術的にはいつでも使えます。実社会に目を転じると、自動運転、画像診断、ヘルスケア、遠隔治療・遠隔手術、まちづくり、社会インフラのメンテナンス、建設用機械や農業用機械の無人化、スマート農業、機械翻訳、文章自動生成など、さまざまな場面で実用化されつつあります。他方で、フェイクニュース、ディープフェイク(偽動画)、自律型無人兵器などAI利用の負の側面も社会問題化しています。AIを社会応用する際には、単なる技術的な問題と捉えるのではなく、社会受容、法律、倫理などと併せて考えることが大切です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

埼玉大学 工学部 情報工学科 教授 重原 孝臣 先生

埼玉大学 工学部 情報工学科 教授 重原 孝臣 先生

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情報学、通信・情報工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

工学は新たな技術を開発するだけではなく、社会に及ぼす影響への責任も問われる分野です。例えばAIには便利な点も多々ありますが、使い方を間違えれば社会に甚大な悪影響を与える可能性もあります。データが集まるところにAIあり。AIは生活のあらゆる場面に浸透してきていますし、今後もそうあり続けるでしょう。文理を問わず、あなたがどの分野に進むにしろ、AIに無関心ではいられません。AIが社会でどのように使われ、どのような影響を与えているのか、ぜひ関心を寄せてほしいと思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

埼玉大学に関心を持ったあなたは

埼玉大学は、総合大学として有為な人材を育成する、首都圏大学として社会とリンクし還元する、世界に開かれた大学として国際交流を推進する、の3つが特色です。TOEIC600点を目標に画期的な英語教育を実施しています。学生諸君が、高度な専門知識に加えて幅広い教養と国際感覚を持ち、社会に貢献することができる市民・職業人に成長できるよう、教育上のさまざまな工夫を施しています。