乳幼児から必要となる健康づくりと、楽しく続ける環境づくり
運動で健康をサポート
スポーツ科学と聞くと、スポーツ選手のサポートというイメージかもしれませんが、運動による一般の人々の健康づくりのサポートも、そのひとつです。
高齢者の場合、高血圧や糖尿病といった生活習慣病や筋肉が衰えているなど、人によって状態はさまざまです。医師や看護師、介護士などと連携しながら、その人に合った効果的で安全な運動を考えます。実践指導をして血圧などの数値を計測しながら、状態の維持や改善を図ります。
10~20代の近年の傾向と課題
近年は、20代でもフレイルやロコモ(ロコモティブシンドローム)の人が増える傾向にあります。フレイルは、筋力や心身の活力が低下している虚弱な状態をいい、ロコモは運動機能が低下した状態のことをいいますが、いずれも高齢者を対象に使われてきた言葉です。運動不足やストレス、睡眠不足などが影響していると考えられます。児童は、しゃがむことができないなど手足の動作や柔軟性が衰えている傾向にあり、また幼児期から歯周病になっている子もいます。
このように、年齢によって異なる傾向や状況に対して、必要に応じて学校の先生や保護者などと連携し、その人に合わせた生活指導をします。10~20代からの生活習慣が、その後の健康寿命に関わると考えられています。
健康的なまちづくりがもたらす効果
大切なのは、指導の後も継続してもらうことです。その有効手段のひとつが、健康増進のためのまちづくりであり、厚生労働省も支援しています。
最近は、ウォーキングでまちづくりをする自治体が増え、イベントによって観光化するなど、地域交流や活性化に役立つ特徴もあります。体力に応じて選べるように3キロ、20キロといったウォーキングコースが設定されているところや、「自然と触れ合うコース」「郷土の歴史コース」など、楽しみながら歩けるように工夫しているところもあります。個々に応じた健康指導と、楽しく運動を続けやすい環境づくりによって、すべての人々の健康増進をめざしているのです。
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