世界的ブランドになった「JAPOW」 スノーリゾートの活性化
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日本のパウダースノーは世界中の憧れ
スキーやスノーボードをする外国人の間で、JAPOW(ジャパウ)という言葉が浸透しています。日本のパウダースノーを意味する造語です。天然の新雪は、特に欧米豪から訪日客を引き寄せています。彼らの最大の目的は、整備されたゲレンデではなく、自然そのままのフワフワの雪山を滑ることです。一晩で大量に雪が降るのは世界にほぼ例がなく、長期滞在して何度もそれを楽しむのです。音楽で一流をめざす人がウイーンに憧れるように、世界中のスノースポーツ愛好家が日本で滑ることを夢見ているわけです。
2000年前後から北海道のニセコ、続いて長野県の白馬、野沢、新潟県の妙高などでインバウンド(訪日外国人)が激増しました。そうした地域では、コロナ禍の間にも外資系のホテルが開業するなど投資が続き、今後もいっそうの発展が期待されています。
夏の集客に知恵
しかし、国内のスキー人口の減少もあって、外国人客が望めない地域との間で二極化が広がっており、活性化に向けた研究が進んでいます。キーワードのひとつは「夏の集客」です。
すでに成功例も出てきています。長野県の白馬岩岳は、目の前に北アルプスの山々がそびえる「展望カフェ」や、絶景に向かって漕ぐ通称「ハイジのブランコ」、「マウンテンバイクパーク」で夏の集客を生み出しました。元々はスキー場なのに、今や雪のない季節の収益のほうが多いのです。有名なカナダのウィスラーは、冬はスノーリゾート、夏はマウンテンバイクの聖地として成立しています。日本はまだアウトドアスポーツ人口が多いとは言えませんが、言い換えれば潜在力があるのです。
スキー場で地域が存続
スキー場のある地域は、冬は雪が深くて他の産業に乏しく、住み続けられるまちを維持するために観光収入が極めて重要です。今後は、パウダースノーを好む欧米豪の上級者だけでなく、スキーや雪遊びを体験したいアジア圏の入門者層も大きな顧客となっていくでしょう。アフターコロナは夏の集客の工夫と、アジア市場の動向が注目されます。
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![神戸国際大学 経済学部 国際文化ビジネス・観光学科 教授 遠藤 竜馬 先生](https://yumenavi.info/img_p/P016020001endohr.jpg )
神戸国際大学 経済学部 国際文化ビジネス・観光学科 教授 遠藤 竜馬 先生
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