ぐっすり眠るための方法とは?
体温を下げて、眠る用意に入る
睡眠と体温は、密接な関係があります。個人差はありますが、体温は午後8時頃が一番高く、それから少しずつ下がります。午前3~5時が一番低く、その後、朝から午前中にかけて体温が上がって、活動も活発になってきます。人は体温が低い方が眠りやすく、もっとも低い体温の時から2時間ぐらいたつと、自然に目が覚めるのです。普段より早く寝ようと思ってもなかなか寝つけないのは、体温が高いからです。
乳幼児は眠いときに手足が温かくなる、と言われますが、これは手足の末梢神経の血管が広がり、熱を放出し、体内温度を下げているからです。体の中の温度は、体の表面の温度と5~10℃は違います。手や足などの皮膚の表面温度が上がっても、体の中の温度が上昇しているわけではないのです。
睡眠によいと思ってしていることでも、逆効果の場合があります。寒いときによく眠れるように、と熱いお風呂に漬かりすぎるとなかなか体温が下がらず、寝つけません。皮膚の表面の温度だけ上げて、体内の温度は上げ過ぎないよう、熱すぎないお風呂にさっと入るのがコツです。同じ理由で電気毛布も布団に入る前につけておき、入ったらスイッチを切るのがポイントです。一晩中つけておくと内部は35℃くらいになり、体温が下がりません。
リラックスして眠ろう
寝るときには、副交感神経がはたらき、リラックスした状態がいいので、寝る30分前には勉強やパソコンなどを控えた方がよさそうです。照明も関係があり、明るい電燈がついていると生活リズムがずれてしまいます。日本の住居は明るすぎるので、間接照明などを使い、適当な暗さにすることが必要です。テレビ、パソコン、携帯電話の画面、2000ルクスの明るさがあるコンビニエンスストアも交感神経を刺激します。コンビニエンスストアは、入り口に対して平行に蛍光灯をつけて明るさを演出しており、つい引き寄せられてしまいますが、寝る前には行かない方がよく眠れます。
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広島大学 総合科学部 総合科学科 人間探究領域 教授 林 光緒 先生
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