体育授業における「遊び」のすゝめ
体育における「遊び」
体育の授業において、児童生徒が運動やスポーツが苦手になったり、嫌いになったりする理由の1つに、できる・できないがはっきりとしてしまうことが挙げられます。しかし、走る、投げるといった遊びを起源とする運動やスポーツには、それぞれ特有の楽しさや面白さがあります。体育の授業の中に「遊び」の要素を取り入れることで、運動やスポーツの楽しさや面白さに触れながら学ぶことができると考えられます。テストにマイナスイメージをもっている子どもも、クイズの時間は好きになることも多いです。同様に、勉強と遊びの重なる部分を増やしていくのです。
運動やスポーツを深く学ぶクラスワーク型学習
運動やスポーツをより深く学ぶクラスワーク型の学習展開があります。例えば長距離走の授業では、一生懸命走る「する」だけに焦点を当てるのではなく、共通の目標「魅力的な駅伝大会にしよう!」に向けて、児童生徒自ら先導係、給水係、応援係といった「みる」「支える」「知る」関わりを学び、学級や学年で授業をつくっていく学習です。児童生徒たちは学級や学年で一つの目標に向かう経験から、自分の技能を向上させることだけではなく、運動やスポーツを文化として学ぶようになります。このような学び方は、運動が得意な子も、そうでない子も、周囲に認められながら楽しく、広く、深く、学ぶことができるようになります。
伝承遊びをスポーツに「スポーツろくむし」
日本には「ろくむし」という伝承遊びがあります。これは、地面に20mほどの間隔をあけて2つの円を描き、鬼役と子役に分かれ、子役は鬼役から投げられるボールを避けながら円の間を往復するものです。
この遊びを体育の教材としたものがスポーツろくむしです。スポーツろくむしは「走る」「投げる」「捕る」技能が高まる、運動量がとても多い活動です。「野球」や「サッカー」などのスポーツほど型が決まっているわけではないので、子どもたちが自主的に作戦を考えたり、ルールを改良したりして、自然に学び合う傾向が見られます。
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先生情報 / 大学情報
美作大学 生活科学部 児童学科 講師 木谷 晋平 先生
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