投票に行っても政治は変わらないのか? 選挙と政策との関係
「選挙に行っても無駄」は本当か?
日本では、あらゆる選挙で投票率の低迷が続いています。若い世代の政治参加を促すために、2015年から満18歳以上が選挙権を持つようになりましたが、それでも投票率の低さはあまり変わっていません。その状況を象徴するかのように、「選挙に行っても、政治は何も変わらない」という言葉を聞くことがありますが、選挙には本当に政治を変える力がないのでしょうか?
多様な意見が集まってこそ、政治は動く
選挙が政治を動かしているのは間違いありません。例えば、国の補助金がどのような地域に配分されているかをデータにまとめて解析していくと、その時政権を握っている政党に多くの人が投票したところに補助金が多く配分され、その地域が求める政策にお金が使われていることが明らかとなっています。選挙に行っても意味がないように感じるのは、現在の日本の投票率があまりにも低すぎて、毎回同じような人だけが投票に行っているために、多様な意見が集まらないからなのです。実際に、政治が動いた象徴とも言える「政権交代」が起きた時の投票率を見てみると、その前後の選挙よりも投票率が比較的高い傾向にあることがわかります。
投票率を上げるには「主権者教育」が大切
投票行動は、子どもの時の親の影響を強く受けます。親が投票に行かなかった家庭で育つと、子どもは選挙の大切さを実感できないため、同じく選挙に参加しない大人になってしまいます。投票の現状を変えるためには、成長過程にある小学生や中学生への「主権者教育」が大切です。主権者教育とは、模擬投票などによって選挙の仕組みや大切さを学ぶことで、主権者教育を受ける前と後では、子どもたちの意識が大きく変わることがわかっています。
自分の持つ一票は、とても小さなものに感じるかもしれません。しかし、各個人が「自分の生活をより良くしてくれる政治家は誰か」という観点から一票を投じることで、それが多様な意見の表明となり、政治をダイナミックに変えていくことにつながるのです。
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