「困った子」でなく「困っている子」
教師にとって必要な理解
幼稚園から高校までの教育機関で、教師になると避けて通れない課題があります。平均してクラスに8.8%在籍しているという統計がある、発達障害の子どもたちへの対応です。担任の教師には、その子たちを理解し、クラス全体を導いていくためにできることがたくさんあります。まず、彼らは「困った子」ではなく、「困っている子」あるいは「困っていることに気付いてない子」なのだという理解が必要です。発達障害の子どもたちを理解したうえでの支援は、子どもの幸せにつながり、それは社会の幸せにもつながっていきます。
なぜ検査を行うのか
いわゆる発達障害は、学習障害や自閉症スペクトラム、ADHDなどに分類されています。知的な遅れがない発達障害の子どもは、小学校なら通常学級に在籍しています。そうした子どもに具体的な支援を進めるためには、発達障害の特性を知らなければなりません。そこで「アセスメント」と呼ばれる知能検査や心理検査などを行います。保護者の了解を得て専門機関で検査を行う目的は、その子の状態を詳しく知るだけではありません。真の目的は、教師が子どもの「強み」を見つけて、補いながら、特性に合った支援を見つけ出すためなのです。言い換えれば、どの子どもにも、強みは必ずあります。
強みを生かした学習方法を見つける
アセスメントでは、同時処理が得意か、あるいは継次処理が得意なのかもわかります。これは脳の認知特性を大きく2つに分けたもので、同時処理は要素を全体で把握してから細分化する特性、継次処理は時系列に沿って細かい要素を並べてから処理する特性です。例えば、漢字の筆順が理解できない継次処理が弱い子どもが、同時処理は得意で完成形は書けるといった強みがあります。子どもたち全体の学習スタイルは16ほどあるとされています。教師が特別支援教育の必要な子どもに最も合った指導方法を見つけ出せば、クラス全体にとってもわかりやすい指導となり、学力アップと調和に有益なのです。
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