なぜ自分の町と近隣の町の「にぎわい」に差があるのだろうか
比較して見つめてみる「自分の町」と「近所の町」
自分の生活圏内に好きなブランドなどのお店がない場合、それがある近隣の町まで出かけて買い物するのはよくあることです。このように、町の規模そのものは大きく違わないのに、片方の町だけがにぎわっているというのもよく見かける光景と言えるでしょう。この差はどこから生まれてくるのかを調査して分析し、見い出した解決策を提示するという研究が進められています。
注目のお店があるかないかが影響する?
こうした研究は、「町のにぎわい」を決める要因として若年女性の動向に着目しています。なぜなら、若年女性は比較的購買意欲が高いため、その波及効果が大きいからです。そこで、「若年女性がどこでどんな買い物をするのかを実際に確認する」というフィールドワークがあります。近隣のA町とB町の商業施設のお店をチェックすることを通じて、若年女性の集客状況や商業施設の浮き沈みが見えてきます。具体的には女性誌に登場するブランドを調べ上げ、それらのブランドがどれだけ商業施設に入っているかが町の発展に影響を与えているという分析がなされています。その結果、にぎわっていない方の町の商業施設に対して、どのような店舗構成を戦略的に構築していくかという課題も見えてきました。
いちばん身近な形でのまちづくりへの参加方法
課題の解決には、最終的に地元商店街や商工会議所、自治体の協力も必要になってくるでしょう。各施設がそれぞれバラバラに動くのではなく、その町の商業施設としてどんなブランディングをしていくかを地域全体で考えて、マネジメントしていった方がより効果的と考えられるからです。また、商店街と商業施設との利害調整も必要です。研究が進み、ある程度の解決策が見つかったら、次は同じ問題を抱えるほかの町にも適用できないか考えていくことになります。このような活動が続けば、近年増えつつあるシャッター街をなくせるかもしれません。そういった変化は、私たちの生活や行動にも影響すると考えられます。
参考資料
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先生情報 / 大学情報
創価大学 法学部 法律学科 准教授 和足 憲明 先生
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