環境に関する法律が、持続可能な社会をつくり、地球を救う!
法律が社会を変える
環境問題は待ったなしの地球規模での課題です。持続可能な社会を実現するには、資源の消費を抑える、廃棄物を資源にしてリサイクルするといった循環型の経済社会をつくることが不可欠です。そのために有効なのが、環境に関する法律や制度の整備です。
一つの例が2020年に施行された、レジ袋有料化です。これはプラスチックに頼っていた国民の意識を変える狙いもあり、容器包装リサイクル法で定められました。今ではマイバッグの利用が当たり前となっています。環境に関する法律は、国民や企業の意識や行動を変えられるのです。
世界や各所とつながる環境課題
また、環境問題は世界ともつながっています。環境対策の先進国であるイギリスやドイツでは、地球の気候予測といった科学的根拠により、危機感をもって対応しています。イギリスでは数年後にガソリン車の販売を禁止する法案も提出されています。
各国は、先進的な取り組みをすぐに導入できるわけではありません。その国の文化や国民性に合わせた制度でないと実現が難しくなります。例えば、クルマのリサイクル料金に関する法や、プラスチックを資源化するプラスチック資源循環法は国や自治体、企業、消費者のすべてとつながっています。それぞれにかかる負荷のバランスを考えて、どんな法律にすれば実現可能かを検証することが重要です。
未来予測も重要
現在、太陽光パネルなどによる自然エネルギーを活用するゼロ・エネルギー・ハウスが推進されていることから、30~40年後には大量の太陽光パネルが廃棄されるでしょう。そうなる前に、太陽光パネルを資源としてリサイクルする仕組みづくりが必要です。将来を予測して、問題となる前に解消できるように対策を考えることも欠かせません。
また、法律を押し付けるだけでは効果的ではありません。環境に配慮した製品を選ぶといった、個々で行動する意識を育てる仕組みづくりも不可欠です。法や制度をいかに整えるかが、未来の持続可能な社会の土台になるのです。
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先生情報 / 大学情報
創価大学 法学部 法律学科 教授 朝賀 広伸 先生
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